コンサドーレ札幌はC大阪に0-1で敗れた。13日にルヴァン杯初の決勝進出を決めてから、中4日で迎えた一戦。コンディションを整える時間が十分でなかったこともあり、1点が遠かった。札幌移籍後リーグ戦初出場のGK菅野孝憲(35)は最少失点に食い止めたが、逆転はならなかった。リーグ戦4試合連続未勝利で、順位は8位と1つ落とし、優勝の可能性が消滅した。

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献上した1点が最後まで重くのしかかった。札幌は、立ち上がりに失敗した。前半6分だった。MF柿谷にペナルティーエリア手前からミドルシュートを決められ、あっさり先制された。この日、62歳の誕生日を迎えたミハイロ・ペトロビッチ監督は「入りが良くなかった。先に失点してしまう厳しい展開になった」と振り返る。リズムに乗りつつあった同24分には、主将のMF宮沢が右太もも裏負傷で交代。プランの立て直しが求められ、後半は好機も増やしたが、ゴールは遠かった。

90分、チーム力で勝利を目指した。GK菅野がゴールを守った。17年からリーグ戦69試合連続フル出場中だったGKクは、韓国代表遠征から前日帰札したばかり。練習に参加しておらず、疲労も考慮され、ベンチに。今季ルヴァン杯全試合に出場し、決勝進出に貢献したベテランは、J2京都から期限付き移籍した札幌2季目で初のリーグ戦。J1では柏時代の15年以来4季ぶり。託された仕事を全うし、1失点で踏ん張った。それだけに「結果がついて来ず、残念」と悔しがった。

試合前6位と7位の一戦に、コンディション差があったことは否めない。2週間ぶりのリーグ戦。その間、カップ戦2試合を戦った札幌と、じっくり練習に取り組んだC大阪。札幌は14日のオフ明けから2日間は軽めのメニューで疲労回復に努め、実戦練習は17日のみだった。「ディスアドバンテージ(不利な点)があるなかで、チームとして、いかに総合力でそうした部分を補い、チームとして戦えるかどうか」と、話していた指揮官の思いを、菅野らピッチの選手は体現した。そんな姿に「最後の笛が鳴るまで、いい戦いを見せてくれた」とうなずいた。

リーグ戦4試合ぶり勝利で弾みをつけ、26日川崎Fとのルヴァン杯決勝に臨みたかった。指揮官の記念日を勝ち点3で飾れなかったが、歓喜はクラブ初の国内3大タイトル獲得までお預けだ。【保坂果那】

▽両チーム最多タイのシュート3本を放ったFW鈴木 良い形でサイドチェンジを使えてチャンスもあったんですが…。次は気合入れて普段のコンサドーレの戦いを見せたい。

▽連続フル出場記録が69試合で途切れた韓国代表GKク 休みをもらったので、いいコンディションで(ルヴァン杯決勝へ)準備したい。今日スゲさん(菅野)が出たのは、ずっといいパフォーマンスだったから。