今季限りで退団することが発表された浦和レッズの元日本代表DF森脇良太(33)が4日、埼玉・大原サッカー場で練習後、取材に応じた。11月にクラブから契約満了を告げられたことに「残念で望んでいた結果ではないけれど、決断を受け入れたいし、感謝しかない。年齢を重ねれば重ねるほど世代交代という話題は降りかかってくるものだけど、この世界ではノーマルなこと。まだまだ負けていないという思いを持ってやっていく」と語った。

ペトロビッチ監督時代の13年にサンフレッチェ広島から完全移籍。右のストッパー、ウイングバックとして16年ルヴァン杯、17年ACL、18年天皇杯の3季連続タイトルに貢献した。しかし、ステージ優勝しながらリーグ制覇を逃した15、16年を含め「もっとタイトルが取れた。もっともっとできることがあった」と振り返り、ラストマッチとなる7日のJ1リーグ最終節ガンバ大阪戦(埼玉)へ「試合に出れば、血を流してでも勝利のために貢献したい。ホームで勝って終わりたい」と切り替えた。

取材中、通りかかったDF槙野から「俺も寂しいよ」と声をかけられ「チームメートに伝えた時は、珍しく、悲しむというか残念がってくれた。でも次の日からみんな、ケロッとなってイジられましたけど」。FW興梠から「(森脇を囲んで)記事になるの?」と突っ込まれると「今日くらい記事になるかもしれないでしょ」と最後まで笑わせていた。

思い出の場面を振り返ると「毎日が刺激的で、いい思いでで、かけがえのない日々だった。浦和で取った全ゴールを覚えている。(ACL)済州戦やリーグ戦の松本戦も磐田戦も東京戦も。どれも最高で、これといったものは1つ挙げられない」。それでも、あえて挙げてほしいと報道陣からリクエストされると「ファン感(謝デー)かな」と、底抜けの明るさでピッチ内外を盛り上げた男らしい答えを出した。

最終節は、お約束のサポーターからの「祝福のブーイング」を浴びるのか。「心の中に常にあるクラブと離ればなれになるのは寂しいけど、明るい未来にしていきたい。もういいよ、と言われても、森脇はしつこく、浦和のことを思っていきます」と話した。

今後は未定。「次、どのチームになるか分からないけど、新しいチームでもタイトルを取れるように、現役を終えるまでチャレンジしていきたい」と満面の笑みで締めくくり、ファンサービスへ向かった。