第98回全国高校サッカー選手権に出場する近畿勢の話題や注目選手を紹介します。2回目は大阪代表・興国(初出場)のFW杉浦力斗とMF樺山諒乃介(ともに2年)。19年はU-17日本代表としても成長を続け、近い将来にはA代表を背負う逸材と期待されています。

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怪物2年生コンビが初出場初優勝の快挙に挑む。FW杉浦とMF樺山はこの1年、U-17日本代表と活動を兼務しながら興国を選手権初出場へと導いた。前線で縦、横、斜めの関係を築き、変幻自在にゴールへと迫る2人について、就任14年目の内野智章監督(40)は「最強の武器」「2人を使い切ることが勝利へのカギ」と表現する。

182センチ、69キロの杉浦は、瞬発力と高さがある。選手権へは「スピードは通用すると思う。点を取って勝ち上がっていきたい」。独特のボールタッチから流れるようなシュートを放つ樺山は「目標は全国制覇。攻撃の起点になったり、決定力を見せたい」。予選の大阪大会決勝の阪南大高戦は、0-0で迎えた後半、2人が立て続けにゴールを奪って悲願の初出場へこぎつけた。

杉浦は将来、海外クラブでの活躍を夢見る。来年2月には興国の欧州遠征でパリサンジェルマンなどのユースと対戦予定。海外のスカウトの目に留まるかもしれない。「Jリーグや世界で活躍できる選手になりたい」。今後はJリーグの練習やキャンプに呼ばれる可能性もあるという。

樺山は既に来年からのJリーグ特別指定選手に内定(受け入れ先は来年1月発表)。公式戦以外は興国を離れ、アマチュアながら事実上、プロの世界に身を投じる。大阪大会開幕直前の恒例の部員投票で、背番号10に決まった樺山は「背番号のことはすごく光栄だし、全国では注目されるので、個人的にもっと名前をアピールしたい」と意気込む。

杉浦は「興国のサッカーは、まず相手のやり方を見て、そこから自分たちがボールを持って攻めていく。中3の時にまだ全国に出たことがない高校だったので、自分の力で出場したいと思った」。有言実行で巡ってきた千載一遇のチャンスだ。

興国の先発11人中、2年は8人を占める。「今年の3年生は本当に優しく、2年生をうまくまとめてくれた。いい意味でやんちゃな2年生も頭がいい選手が多く、必要な練習と思えば手を抜かない」と内野監督。

私立の興国はJリーグのセレッソ大阪と提携関係にある。FW南野拓実(リバプール)や杉本健勇(浦和)、DF瀬古歩夢(C大阪)らはC大阪の下部組織に在籍して興国に通い、サッカー部とは関係がなかった。部員として卒業したプロ選手は、19年に日本代表デビューしたヴィッセル神戸FW古橋亨梧ら。屈指のタレントを輩出し続ける興国の“SKコンビ”が、選手権で伝説の第1歩を築く。

 

◆杉浦力斗(すぎうら・りきと)2002年(平14)10月22日、大阪市生まれ。中学まで大阪のクラブチーム「IRIS生野」所属。好きな選手は元イタリア代表FWバロテリ。182センチ、69キロ。

◆樺山諒乃介(かばやま・りょうのすけ)2002年(平14)9月17日、堺市生まれ。中学まで大阪のクラブチーム「リップエース」所属。好きな選手はベルギー代表FWアザール。171センチ、68キロ。