今大会限りで清水恭孝監督(47)が退任する国学院久我山は、最後の最後に力尽きた。

相手猛攻を耐え続けた終盤、疲労が出てきた中でも果敢にカウンター攻撃を仕掛けたが、粘り強さを見せた守備陣がロスタイムに失点を喫した。ゲーム主将のFW山本航生(3年)は「攻撃には自信があったので、PK戦に持ち込むつもりはなかった。ゴールを狙うこだわりがありました。日本一を目指していたので、負けるつもりはなかった。監督を勝たせたかったです」と唇をかんだ。

4年前に就任した清水監督の指導を3年間受けてきた。「試合後、監督から『みんなとサッカーをやっている時が楽しかった』と言われ、号泣しました。自分たちも3年間、指導を受けた集大成だったので」としんみりした表情。1回戦は12月30日の開幕戦で、他チームよりも1回戦は1日早かったものの、前日3日の2回戦は後半の1人退場処分で30分近く10人でプレーし、何とかPK戦を制した。2回戦が初戦だった昌平よりも1試合多かった。さらに退場処分だったDF加納直樹(3年)を出場停止で欠いた布陣だった。

清水監督は「昨日10人で戦って、かなり疲弊はしていましたね」と選手たちをおもんばかった。就任初年度の15年にいきなり大会準優勝。今大会も開幕戦で記録的な8-0の勝利を飾るなど幸先良いスタートを切っていた。指揮官は「高校サッカーは一体感があるし、いいものだなと思いました。今年は苦しい時期もあったのですが、幸せな1年でした」と感慨深く口にした。