連覇に挑む青森山田が3-2で昌平(埼玉)を退け、11日に埼玉スタジアムで行われる帝京長岡(新潟)との準決勝進出を決めた。

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連覇に挑む青森山田の「ヒデ」が試合を決めた。前回優勝メンバーで、浦和入りが内定しているU-18日本代表MF武田英寿(3年)。サッカー好きの両親から「レジェンド」中田英寿のように世界での活躍を願って命名された。2-0の前半ロスタイム、MF浦川の左クロスをファーサイドに走り込み、ダイビングヘッド。02年W杯日韓大会1次リーグのチュニジア戦で中田が決めたヘッド弾を思い起こさせる一発だった。

巧みなパスワークに加え前線からの守備でも貢献した。前半19分には相手ゴール前で相手DFを厳しくチェック。パスミスを誘ってMF後藤の2点目も導いた。「得点での貢献、アシスト、チャンスメーク。誰でも点を取れることが自分たちの強み。もっと決めるところで決められれば、楽に進められた」。パスミスなどで2失点した後半を反省することも忘れなかった。

プロ入り後の本拠地とはすでに相性が良い。前回の優勝時は2連勝し、今季のプレミアリーグチャンピオンシップでは名古屋U-18に3-2で勝利している。「埼スタは負けなしなので2連勝して優勝したい。観客も一気に増えますし、点も取りたい」。存在感が際立ってきた。【鎌田直秀】

◆武田英寿(たけだ・ひでとし)2001年(平13)9月15日生まれ、仙台市出身。小3で仙台ジュニア入団。青森山田中2、3年で全国優勝。昨年度の全国選手権で優勝、大会優秀選手。日本高校選抜、U-18日本代表。178センチ、68キロ。