全国高校サッカー選手権の準決勝は11日、埼玉スタジアムで行われる。新潟県勢初の4強入りを決めた帝京長岡は、2連覇が懸かる青森山田と対戦する。大一番を翌日に控えた10日、同スタジアム隣接の第2グラウンドで最終調整した。全国選手権は3試合連続無失点。プレミアリーグ・ファイナルを制して高校年代日本一になっている相手の攻撃をセンターバックのDF丸山喬大(きょうた、3年)がはね返す決意だった。

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DF丸山の顔つきは平静を保っていた。「まずは無失点で…」と話した口調にも余分な力は入っていない。対戦する青森山田は3試合で13得点の超攻撃的なチーム。セットプレーも要警戒だが、168センチのセンターバックはどこ吹く風だ。「大きな相手でもへディング勝負に自信はある。1対1も粘り強く守りたい」。

8強入りした前回大会は本職のボランチで出場していた。しかしチーム事情で現チームからセンターバックにコンバート。大声で守備陣を統率する丸山のポジションチェンジで守りは引き締まった。公式戦は昨年8月31日のプリンスリーグ北信越・東京都市大塩尻(長野)戦から選手権の県大会決勝(12月1日、対日本文理)まで公式戦11試合連続無失点。12月13日のプレミアリーグ参入戦は横浜ユースに1-4で敗れて連続無失点試合は途切れた。だが選手権に限れば県大会から無失点ゲームを続ける。「思い切ったプレーをしたい」と丸山は大胆に相手攻撃陣と勝負するつもりだ。

主将のMF谷内田哲平(3年)は「アイツがいなければDFラインは崩れる。アイツの存在は大きい」と丸山を評価する。初先発は2年時の18年6月の北信越総体準決勝。ボランチで出場し、富山第一との決勝(2-1)では1-1から決勝点をもぎ取り、初の北信越王者の立役者になった。「本当はボランチの方がいいんですけど」と話しながらも3バックの中央で身を粉にして相手シュートを阻止する覚悟だった。【涌井幹雄】

○…FW晴山岬(3年)が青森山田との準決勝のゴールで“解答”を引き出すつもりだ。「勝つだけです、明日(11日)は。(高校)日本一しか、目標はない。それしか正解ではない」と強い決意を見せる。「相手は強さを出してくる。自分たちは自分たちのサッカー、うまさで圧倒して勝ちたい」と意気込んだ。