全国高校選手権で準優勝した青森山田が2-1で聖和学園(宮城)に逆転勝ちし、新チームの初戦を飾った。前半30分に聖和学園MF田村聖斗(2年)に先制ゴールを許すも、後半12分にDF秋元琉星(2年)が同点弾、31分にMF小原由敬(1年)が決勝ゴールを決め、2連覇中の底力を見せた。

DF藤原優大主将(2年)がU-18日本代表、MF松木玖生(1年)が日本高校選抜の合宿に参加中で、選手権メンバーら主力7人を欠く中、生き残りをかけた戦いが始まった。黒田剛監督(49)に代わり指揮を執った正木昌宣コーチ(38)は「今はフラットに考えているので誰が出てくるか楽しみ。思ったよりはできていたかな」と振り返った。

全国選手権では、ドリブルで積極的に仕掛けてくる静岡学園に対し2-0から逆転負け。「静学、帝京長岡(新潟)、昌平(埼玉)といった個で打開してくるチームは、攻撃だけではなく意外と1対1の守備が上手。ウチも仕掛けるところは再認識できたし、1対1の守備を高めないといけないと感じた」と敗戦からリスタートを切る。

ゲーム主将を務めたFW古沢ナベル慈宇(2年)は決勝をベンチから見つめた。「出られなくて悔しかった。去年のチームを超えられるよう頑張りたい」。大会中はメンバーのサポート役に回った小原は、「近くにいて先輩たちの陰の努力も見ることができた」と貴重な経験を生かし、3冠に再挑戦する。【野上伸悟】

▽聖和学園・加見成司監督(青森山田に逆転負け)「この時期に山田とやれてよかった。うちもまだまだ。特徴のある子たちを生かしたサッカーをしたい」