J2東京ヴェルディのハンドボール参入が23日、分かった。

バレーボール、トライアスロンなどを運営する同クラブが、ハンドボールにも着目。すでに元男子日本代表主将の東俊介氏(44)をゼネラル・マネジャー(GM)に設立準備室を設置した。日本リーグ入り、同リーグ優勝を目指して5月にもチームを立ち上げ、選手集めからスタートする。

東京Vは昨年、女子ホッケーや3人制バスケットボールチームなどを創設。五輪が予定された20年に向けて、すでに15チームを運営していた。Jクラブでは湘南ベルマーレやアルビレックス新潟が総合型として他の競技を傘下に置くが、羽生英之社長(56)は「これだけの数のスポーツをやっているのは、世界でもヴェルディくらい」と話した。

企業チームが中心のハンドボールでゼロからのクラブチーム作りは決して楽ではない。新型コロナの影響も大きい。それでも、5月5日にはチームを創設させる予定。東GMは「大変な時期だからこそ、失敗を恐れず挑戦したい」とテレワークで準備を進めている。

東京社会人リーグからスタートして7年後に日本リーグ入り、10年後に同優勝を目指す。もっとも、東GMは「強いことも必要ですが、目指すのは世界一愛されるチーム」。まだ準備段階だけに「選手、運営、広報、営業、指導者など、出来ること、やりたいことがある方に仲間になってほしい」と広く呼びかけた。

欧州ではハンドボールの人気が高く、バルセロナやパリSGなどサッカーのビッグクラブの傘下で好成績を残すチームも多い。東京Vが目指すのも、世界的な総合型スポーツクラブ。羽生社長は「Jリーグはサッカーだけではなく、スポーツを愛するファンのためにある」と、93年J開幕時の川淵チェアマンの言葉を引用し「クラブの理念をともにするハンドボールチームにしたい」と話した。

 

◆東京Vの他競技 川崎から東京にホームを移転した01年に東京教員クラブを前身とする男子バレーボールチームを結成。その後、トライアスロン、ビーチバレーなど拡大させた。19年のクラブ創設50周年を前に総合型スポーツクラブ作りを加速させるため、18年8月に別に東京ヴェルディクラブを設立。現在はeスポーツ、野球、柔道、チアダンスなど15チームが活動している。