スポーツで汗を流した青春を、思い出として残そう! J2ザスパクサツ群馬の奥野僚右監督(51)が、新型コロナウイルスで公式戦出場機会が制限された体育会大学生のため、立ち上がった。

卒業と同時に引退する選手が多い大学生アスリートのため、SNSで体育会写真展を開く。種目問わず、プレー写真を投稿してもらい、その写真をもとに記念品を作成して卒業生に贈る。競技の垣根を越えた出会いやコロナ禍克服の過程も共有する。

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インターハイ(全国高校総体)や春に続き夏の甲子園も中止になった。最後のアピール場をなくした高校生が注目された。目立たないが、実は大学生アスリートもコロナ禍で大きなチャンスをなくした。特に4年生は、10年以上もグラウンドや体育館、コートなどで汗を流し、その集大成となる多くの大会が中止になった。プロや実業団などに進むひと握りの選手を除けば、体育会学生の多くは、卒業と同時に引退を強いられるのが現状だ。

奥野監督は「新型コロナウイルスの影響で、最後の出場機会をなくし、そのまま引退したとしても、彼らが長年流した汗は無駄ではない。時には挫折を味わい、考え、それに打ち勝ちながらここまで来たはず。その経験は、社会人として仕事にも生きるすばらしいものです。その記憶を思い出として残してあげたい。サッカーに限らず、体育会大学生なら種目問わずその対象になる。これをきっかけに人と人の出会い、つながりが生まれることを期待している」と話した。

写真共有アプリ、インスタグラム上で「体育会Instagram写真展」を開催する。(1)体育会学生から写真を投稿してもらう(2)専用アカウントに提供写真を掲載する(3)提供写真を記念品として装飾し、投稿した本人に贈る。

現在、アカウント名「athlete_photo_awards」でオープンしており、写真を受け付けている。8月初旬まで投稿可能で、約500人の体育会学生に記念品を提供する予定だという。

記念品の製作費や郵送費などの経費に当てる目的の他、広く拡散ができるため、8月までクラウドファンディング(https://readyfor.jp/projects/a-cial)を実施し、募金している。1500円から支援できる。

奥野監督の他にも柔道日本代表の井上康生監督、サッカー日本代表でパルチザンFW浅野拓磨、シドニー五輪ソフトボール銀メダリストの高山樹里さん、元巨人投手の柴田章吾さんら、多くのアスリートが応援している。【盧載鎭】