名古屋グランパスは13日午後、愛知・豊田市内で全体練習を再開させた。チームから新型コロナウイルス感染者が2選手出たため、1日を最後に全体練習を休止させ、9日からグループ練習を始めていた。

約1時間半の練習後、マッシモ・フィッカデンティ監督(52=イタリア)と、主将のDF丸山祐市(30)がオンラインで取材に応じた。

「今日の練習は、前向きにできたし、雰囲気もよかった」という指揮官は、他クラブよりも調整遅れのチームに対して「ここまでの影響は、試合する上で何も考慮されない。残り3週間で集中して取り組むだけ。選手にも理解してもらって意識を統一したい」と語った。7月4日のJ1再開へ、当初予定していた練習試合は、4試合ではなく2試合に半減するという。

準備期間が短くなって選手の故障など不安はある。「選手の状態を、より神経を研ぎ澄ませて見て、けがのリスクも高まらないように、調整スピードを上げていくしかない」と説明した。

6月に入り、FW金崎夢生(31)とオーストラリア人のGKランゲラック(31)が新型コロナウイルスに感染。治療のために現在も入院しているが、クラブによると両選手とも快方に向かっているという。

ただ、指揮官は「2人の見通しは、検査などいろんな条件があるので、あいまいな答えはできない」と、今後の復帰時期への言及を避けた。「身近な中で感染者が出た驚きはあったが、あってもおかしくはない状況で生活している。すべて前向きに準備して、1人1人が努力を注ぎ込んでいきたい」と静かに話した。

クラブはこの日、トップチームの選手やスタッフら64人に対してPCR検査を実施した結果、全員が陰性だったことを発表した。

取材に対応した主将の丸山らは、計2度のPCR検査を受けた。「(2選手の感染で)より、しっかり予防しなければならないと思った。全員陰性という結果が出たのでよかった部分はあるが、今後感染しない確約はないので、全員が気をつけてやりたい」と一丸態勢を強調した。【横田和幸】