新生いわてグルージャ盛岡が、最下位からの下克上昇格に挑む。J3は27日に開幕する。元日本代表DFの秋田豊新監督(49)率いる岩手はホームで、ブラウブリッツ秋田と戦う。ゼロからチームを作り直した指揮官は「J3優勝。J2昇格」と力強く宣言した。

当初の予定(3月8日)から111日を経て迎える開幕を、秋田監督は「『やっとだな』という感じ。選手もすごく心待ちにしてたので、スタートできるのはうれしい」。リーグ延期で、始動からの準備に半年間かけられ「戦術、技術、体力すべて向上し、非常にいい時間だった」と、確かな手応えをつかんでいる。

3月末にはJ1、J2、米国でプレーしたMF橋本晃司(34)が加入。秋田監督は「得点への最後の味付けというか攻撃全部の指揮を執ってほしい」と全幅の信頼を寄せる。さらに「みんなが競争し(当初の)構想から外れていた選手も入ってきたのは、こういう期間だからこそできた」と戦力アップを実感する。

1月末から約2カ月続いた鹿児島、宮崎、高知、福島でのキャンプは、ほとんど2部練習で実施。みっちり鍛え、練習試合後も体に負荷をかけた。「自分たちは最下位のチーム。練習をやらずにうまくなれるはずがない」。シーズン中も2部練含め厳しく徹する。無観客試合になるが、34試合の長期戦が幕を開ける。J公式戦460試合に出場している百戦錬磨の秋田監督は「34分の1ではない」と開幕戦の重みを強調。新生岩手は頂点だけを見つめ、勝ち点を1戦1戦積み重ねていく。【山田愛斗】