MFアンドレス・イニエスタ(36)の魔法のパスで、ヴィッセル神戸が3-2でアウェー札幌戦を制した。

前半終了間際に自陣から約40メートルの超ロングパスをMF西の足元に収め、FWドウグラスの得点を呼び込んだ。札幌のプレスに苦しんだ神戸だが、主将イニエスタの効果的な長距離パスが随所で生き、3試合ぶりの白星を飾った。

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1000キロ以上の長距離移動を乗り越え、神戸が打撃戦を制した。勝利に導いたのは、MFイニエスタの長距離パスだった。

「イニエスタのパス、西のファーストタッチもよく、僕の左足が自然に動いた。球をつなぎ、球を保持して点を取るスタイルは大切だが、今日のようなロングボールも有効。柔軟に対応しなければいけない」

今季3点目を決めたFWドウグラスが振り返ったのは、1-1で迎えた前半45分の場面だ。

イニエスタが自陣から約40メートルのロングパスを、右を駆け上がったMF西の右足へピタリと供給。最後はブラジル人FWが左足で決めた。受けた西の技術に加え、主将の1ミリもずれない正確パスは神業級だった。

この試合は札幌の強いプレスで主導権を握られ、イニエスタが3列目からあえて長めのパスを多用し、相手守備を混乱させていった。DFフェルマーレンもロングパスでMF山口の1点目を演出。2試合連続無得点だった神戸が、世界の技で息を吹き返した。

「すごく攻撃的な展開が多く、逆転できたのは満足」とフィンク監督。DFダンクレーら故障者も復帰し、2月に横浜を倒した富士ゼロックス・スーパー杯以来のベスト布陣。FW古橋の負傷交代以外は、収穫たっぷりの北海道遠征だった。【横田和幸】