ヴィッセル神戸DF西大伍(32)が12日、神戸市内で練習後、16日の鹿島アントラーズ戦(カシマ)に向けたオンライン取材に応じた。

鹿島は18年まで8年間在籍した古巣で、神戸に移籍した昨年のJ1リーグ戦は2度の直接対戦のうち、1試合は出場停止、もう1試合は敵地で残り4分から途中出場しただけだった。天皇杯決勝ではフル出場で古巣に完勝し、神戸に初タイトルをもたらせている。

「昨年は(古巣サポーターから)ブーイングをもらえたので愛を感じた。今年は(新型コロナ対策で)ブーイングができないので、あるかどうか分からないですが」と、独特の表現で古巣へのリスペクトを示しつつ、必勝を誓った。

8月28日で33歳になる大ベテランは、今季は適度な休養をもらいながら、開幕からここまで7試合に出場。チームは天皇杯王者ながら3勝3分け3敗の10位にとどまっており、特に9試合で総得点10という決定力不足に悩んでいる。悲願のJ1優勝へ課題が多い。

「みんな、よくするために努力しているし、ある程度は、相手は僕らのことを見てやり方を研究してきているので、もう少し試合の中で自由度を持って、やり方を変えるのもいい。長い間、同じことを続けるのは難しい。高いテンションで戦わなくても、余裕を持ってできることを目指したい」

J2への降格がない今季のレギュレーションに関しては、やや戸惑いもあったようだ。神戸は常に勝利を求められるが、下位チームになるほど結果を恐れないでぶつかってくる。

西はもちろん、勝利を最優先にしながらも「成長とかを求めた方が、うまく回ると感じている」と胸の内を明かした。【横田和幸】