元サッカー女子日本代表FWの大野忍さん(36)が17日、埼玉県内で行われたロービジョン(弱視者)フットサルの普及活動にゲスト参加し、現役選手らとエキシビションマッチを行うなどして盛り上げた。

ロービジョンフットサルは矯正後の診断で視力0・1以下、または視野20度以下の弱視の選手たちで行う競技。GK以外が全盲で、アイマスクを装着して音の出るボールを使って行うブラインドサッカーと違い、アイマスクなしで音の出ないボールを用いて戦う。この日は大野さんのほか、東京都葛飾区を拠点とするロービジョンフットサルクラブ「CA SOLUA(ソルア)」の選手、J1サンフレッチェ広島ユース出身の3人組人気YouTuber「LISEM(リゼム)」のメンバーらが参加した。

大野さんとリゼムの3人は体験用の弱視ゴーグルを着用してプレー。約2時間の交流を終えた大野さんは「めっちゃ難しかったです。見えない状況だと声が頼りになる。この競技のことを自分ももっと知りたいし、こういう縁を大事にして魅力を発信していけたら」と話した。

ロービジョンフットサルは、パラリンピック種目にもなっているブラインドサッカーに比べて知名度はまだまだ低い。CAソルアに所属するロービジョンフットサル日本代表の岩田朋之は「ブラインドサッカーよりも、より普通のフットサルに近い競技なので一般の人とも混ざってやりやすい」と競技の魅力や将来性に自信もみせ、「多くの弱視の人が楽しめるものとして広めていけたら」と力を込めた。

この日はリゼムによる撮影も行われ、エキシビションマッチの模様などが同グループの公式YouTubeチャンネルで近日中に公開されるという。リゼムの3人は広島ユース時代の2011年に高円宮杯U-18プレミアリーグウエストで優勝し、同イースト王者とのチャンピオンシップも制して日本一にも輝いた実力者。メンバーのけーごは大野さんとのプレーについて「コミュニケーションをとって盛り上げてくれるし、声を出してくれるのでついていきやすかった」と振り返った。【松尾幸之介】