来年9月開幕の日本初の女子プロリーグ「WEリーグ」を運営する一般社団法人日本女子プロサッカーリーグは15日、初年度に参入する11クラブを発表した。17団体からの申請を審査し、なでしこリーグ1部などの強豪クラブのほか、女子部門のなかったJ1広島やJ2大宮も参入を果たした。WEリーグの岡島喜久子チェア(62)はリーグの発展と女性活躍社会の実現へ意気込み、昨季までなでしこリーグ5連覇中の日テレはJリーグ元年から2連覇を果たした男子に続く初年度優勝を誓った。

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WEリーグ元年を戦う11クラブが決定した。将来的に数を増やすとはいえ、総当たりリーグ戦で試合のないチームが出る異例の奇数に。1クラブずつ読み上げて発表した岡島チェアは「変則的であることは承知の上」とし「11クラブともに魅力があり、ホームタウンの広がりを重視した」と説明。試合のないクラブには「WEリーグの理念を追求するような活動をする日にしたい」と話した。

コロナ禍の中で17クラブから申請を受け、審査では財務状態等を厳しくチェックした。女子サッカーの本場、米国で長く生活してきた岡島チェアが目指すのは選手、スタッフ共に女性が活躍し、老若男女問わず多くの人が足を運べるリーグ。試合だけでなく周辺イベントに力を入れることも明言しており、実現には安定した経営基盤や設備の整った試合会場が必須だった。会見では「観客動員がキーになる」と各試合平均5000人動員を目標に設定。外国人選手の積極的な獲得や、未来のなでしことなる多くの少女が試合会場を訪れることを理想に掲げ「開幕戦は派手にいこうと思っています」と明かした。

チェアの思いに呼応するように各クラブも気合は十分。なでしこリーグ5連覇中の日テレの羽生社長は「開幕戦には絶対出たい」と語った。93年のJリーグ開幕戦では5万9626人が詰めかける中、男子部門のヴェルディ川崎(現東京V)が横浜マリノスと対戦。同年のリーグ戦を制し、初代王者となった。当時、女子チームの監督を務めていた竹本GMも「Jリーグは国立を満員にしてやったから、WEリーグは新国立で」と男女での開幕戦開催、初年度優勝を狙う。

リーグ開幕は東京五輪後の来年9月。「オリジナル11」もいよいよ決まり、WEリーグと共に日本女子サッカー界もさらなる強化へ動いていく。

◆WEリーグの開催概要

▽開幕 21年9月。ホームアンドアウェー方式による総当たりリーグ戦を行い、翌5月ごろ終了予定。下位リーグとなるなでしこリーグとの入れ替えは当面、行わない。

▽待遇 男子にはない最低年俸(270万円)を設定。プロA契約選手5人以上を含むプロB、C契約選手、計10名以上と契約を締結しなければならない。

▽チーム名 事前にリーグの承認を得た場合、チーム名、呼称にはスポンサー名、ブランド名等を含めることができる(ネーミングライツの認可)。また略称(原則4文字)には地域名を入れなければならない。

▽観客動員 1試合平均約5000人を目指す。(なでしこリーグの1試合平均は約1200人)。