女子サッカー、なでしこリーグ1部の日テレ・東京ヴェルディベレーザが15日、来年9月開幕の女子プロリーグ「WEリーグ」の参入決定を受けてオンラインで会見を行い、羽生英之社長らが男女でのプロリーグ開幕戦開催、初年度優勝へ意欲をみせた。

日テレは89年に日本女子サッカーリーグが創設された際のオリジナルクラブの1つで、11年にFIFA女子最優秀選手に輝いた元日本代表MF澤穂希さんら多くの名選手を輩出。現在、なでしこリーグ1部を5連覇中と日本女子サッカー界を長くけん引してきた。羽生社長は参入する11クラブが発表された会見で「やっとこの日がきたかという思いです。ベレーザは日本の女子サッカーの先頭を走ってきました。素晴らしいWEリーグの理念のもと、リーダーとしての自覚を忘れることなく、これからも女子サッカー盛り上げるために頑張っていきたい」などとあいさつ。終了後に日テレで行った会見では、再来年を目標に現在男性22人、女性17人が在籍するクラブスタッフの半数を女性とすることを明言し「当然、女性役員もつくりたい。ベレーザは文武両道の子が多いので、マネジメントサイドに出てくる子も出てくるかなと思います」とビジョンを語った。

男子部門の東京V(当時V川崎)は93年のJリーグ開幕戦で横浜マリノスと対戦。国立競技場には5万9626人の大観衆が足を運ぶなど、大いに盛り上がった。同年からV川崎はリーグ戦を2連覇。羽生社長は「頑張って優勝したい」と男女での初年度王者も狙う。WEリーグ開幕戦の日程等は未定だが、岡島喜久子チェアは「派手にいきたい」と意気込んでいる。Jリーグ開幕当時に日テレの指揮官を務めていた竹本一彦GMは「Jリーグが国立で満員にしてやったからWEリーグは新国立で」と口にし「今の(なでしこリーグの)1位(浦和)、2位(日テレ)同士の試合で、浦和さんであれば観客動員は相当いけるのでは」と理想を語った。

選手を代表して出席した主将の日本代表DF清水梨紗も「1年目はすごく大事になってくるというのはわかっている。ベレーザが優勝を狙っていくことには変わりなく、1試合1試合戦っていきたい」と意気込んだ。加えて、現在産休からの復帰を目指してトレーニング中の元日本代表DF岩清水梓もコメント映像でプロ化の喜びを語り「ママさんプロリーガー1人目として、モチベーション高く頑張っていきたい」と力を込めた。

同日、日テレは下部組織である日テレ・東京ヴェルディメニーナと日テレ・東京ヴェルディセリアスの統合も発表。これまでメニーナの中学生年代の選手はU-18大会のみに出場してきたが、U-15、U-18両大会への出場に切り替え、選手の成長に合わせて実戦経験を積ませていく。竹本GMは「我々は育成クラブです。中学年代の試合の場を増やして、さらなる育成に力を入れていきたい」と話した。