最下位のベガルタ仙台は電光石火の先制劇で11位大分トリニータを2-0で破り、アウェー3連勝を飾った。

試合開始わずか16秒、FW石原崇兆(28)がJ1初ゴールかつ10年のFWフェルナンジーニョ(現J3ガイナーレ鳥取)に並ぶクラブJ1最速ゴールでロケットスタート。後半29分にはFW山田寛人(20)が今季2得点目で、貴重な追加点をもたらした。勝ち点25の16位湘南ベルマーレ、17位清水エスパルスは仙台よりも1試合少ないが、同1差に肉薄。残り2戦はいずれも直接対決で、最下位脱出も射程圏内に入った。

開始早々の値千金弾が勇気を与えた。右サイドのDF蜂須賀孝治がゴール前にクロスを供給。後方から中に入ってきた石原がボールを拾い、思い切りよく左足を振り抜くと、相手に当たりながらゴールに吸い込まれた。「運良く自分のところにこぼれてきて、あまり強いシュートではなかったが決まって良かった」。在籍2年目。昨年7月3日の天皇杯、FC大阪(JFL)戦での2得点以来522日ぶり公式戦ゴールとなった。

仙台は前日5日、選手1人の新型コロナウイルス感染を発表し、前日練習も急きょ取りやめ。石原は「最初のアップ時点で体の重さは少しありました」。難しいコンディションでの試合となり、押し込まれる時間も長かった。それでも6試合ぶり先発復帰のDFシマオ・マテを中心に無失点。今季はアウェー5勝、ホーム0勝の「外弁慶」状態だが、16日の敵地清水戦を制し、最終節19日のホーム初白星につなげる。【山田愛斗】