暗闇に一筋の光が差し込んだ。ベガルタ仙台は横浜F・マリノスとスコアレスドローで今季初の無失点。後半45分に劇的に追いついた開幕広島戦以来7試合ぶりに勝ち点を獲得し、連敗を6で止めた。DF吉野恭平(26)とDF平岡康裕(34)がセンターバック(CB)のコンビを組み、体を張って最終ラインを引き締めた。ホームでのリーグ戦は20試合連続未勝利となったが、勝ち点3への希望を見いだした。

キャプテンマークを巻いたMF松下は試合が終わると、ピッチに両膝をつき、しばらく立ち上がれなかった。勝ち点3だけに照準を合わせたこの試合。前半38分、FW西村がMF上原のスルーパスに抜け出したが、シュートまでは持ち込めず。後半9分、今度は西村が右クロスに飛び込んだがわずかに届かない。結果的にシュートは松下が放った1本に封じられた。

仙台は7試合連続で前半に失点していたが、CBの2人を中心に90分間、ゼロで踏ん張った。吉野は「ヒラさん(平岡)におんぶに抱っこだった」と反省し、「安い失点で簡単に得点を許し、自分たちで難しいゲームにしていたが、無失点の時間を長くすれば勝ち点3に近づく。引き分けをきっかけに上にいけるようにしたい」。平岡も「ここまでゼロに抑えられなかったので、完封で終われたのはきっかけのひとつになると思う」と語った。

19年11月30日以来498日ぶりのユアスタ白星を目指したが、500日超えが確定した。手倉森誠監督(53)は「ホーム未勝利が続いているが、連敗をまず止めたことは大きな成果。今日の勝ち点1がベガルタの挽回のきっかけになったゲームだったと言えるようにしたい」。次戦は17日に最下位の横浜FCとのアウェー戦。絶対に負けられない戦いで、今季初勝利をたぐり寄せる。【山田愛斗】

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