「アクロバット・マリ」参上だ! アビスパ福岡に今季新加入したカメルーン出身のFWジョン・マリ(28)が、ど派手なホーム試合デビューを飾った。

1-0で迎えた後半途中出場の41分、大勢の福岡サポーターにあいさつ代わりの一発だ。左クロスにゴール前中央で瞬時に反応。ワントラップから反転し、強烈なボレーシュートを放ち、浦和レッズの元日本代表GK西川周作(34)の手をはじき、ボールがゴールに転がった。

J1リーグ21年ぶりの3連勝に貢献し「ゴールが私の仕事。歴史をつくった気分になった」。GK西川も「シュートが来るのは分かっていた。反応できたが前に出て行けなかった」という“驚愕(きょうがく)弾”だった。

4月28日のルヴァン杯・北海道コンサドーレ札幌戦、後半途中出場でJリーグデビューし、ロスタイム4分に同点に追いつく移籍後初ゴールを決めたばかり。中2日、ホームで迎えたリーグ戦でも驚異のパフォーマンスで会場をわかせた。

恐るべき身体能力だ。ゴール後は、お祭り好きな博多っ子の前で「小さいころからアクロバティックなことを学んだ。うれしい時に勝手に体で表現してしまう」と、181センチの長身ながら器用にバック宙を披露するファンサービス。さらに、妻と子供の名前のタトゥーがある腕にキスするゴールパフォーマンスで喜んだ。

これまで、プレーの強みを問われ「シークレット。プライベートなことは言いたくない。試合で見て感じてもらいたい」と言い、実力はベールに包まれていた。だが、試合で結果を出して、回答を提示した。

今季の目標には「最低でも10~15点は絶対に決め、チームの助けになりたい」と気合十分。「自分の中では6位以上にはなれると思っている」。そう感じている福岡のため、ゴール量産で応える。【菊川光一】