敵地に乗り込んだアルビレックス新潟が鮮やかに逆転勝ちした。大宮アルディージャとのシーソーゲームを3-2で制し、10勝一番乗り。Jリーグ戦通算50試合出場となったDF早川史哉(27)が前半15分にプロ初ゴール。その後、同31分、後半14分に失点して1-2と試合をひっくり返されたが、後半34分にMF本間至恩(20)が同点とすると、同36分に途中出場のMF星雄次(28)が勝ち越し点を決めた。3連勝で開幕からの無敗記録を12(10勝2分け)に伸ばし、次節(9日)、ホームに松本を迎える。

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早川がプロ6年目でJ初ゴールを奪った。前半15分、MF高木善朗(28)の左CKをファーサイドで待ちかまえると相手と競り合いながら左肩で押し込み、ネットを揺らした。「よっしゃー!」と雄たけびを上げ、チームメートを呼び込んだ。「すごくうれしかった。一昨年から目に見える結果が欲しかったので、形として残せたことはポジティブ」と笑顔を見せた。「納得のいく形ではなかったが体で押し込んだ。(高木)ヨシ君とスカウティングしてくれたスタッフに感謝したい」。

地元・新潟市出身。筑波大卒業後の16年に新潟に加入し2月のJ1開幕戦スタメン出場を果たすが、同年4月に急性白血病を発症。抗がん剤治療を経て、骨髄移植手術。長い闘病生活から徐々に復活のステップを踏み、19年10月5日のホーム鹿児島戦(6○0)で約3年7カ月ぶりにピッチに復帰した。昨季は30試合でプレー。今季は9試合目の出場で、Jリーグ戦通算50試合の出場だった。

第10節(4月24日)の愛媛戦(2○0)以来のスタメンでフル出場。センターバックの位置でDF千葉和彦(35)とコンビを組み、ゲームをコントロールしたが攻撃陣のミス絡みから長いパスを背後に通されて2失点。一時は1-2と逆転される苦しい展開となった。「攻撃時のリスク管理がうまくいかなかった。千葉さん、ボランチとの距離感を狭くすれば、あのようなボールは出されないはず。同じような展開を今後、繰り返さないことが大事」と改善点を挙げた。

勝利を決定づけたのは後半途中出場の星。2-2で迎えた後半36分、混戦から右足を振り抜いた。「目の前にボールがあったので蹴りこむだけだった。入って良かった」。シーソーゲームを制し、3連勝。早川と星は「チームはいい雰囲気で、誰が出ても勝ちに行けるところが今年の強み。このまま勝ち続けたい」と声をそろえた。【小林忠】

○…アルベルト監督は試合後、何度もガッツポーズを繰り返した。「監督業はとてもナーバス。特別ボーナスが必要」と冗談を飛ばし、「逆転された後にシステムを変更し、1対1が得意な本間と三戸にサイドを突破させた。自分たちのプレースタイルを変えなかったことが勝因」と話した。

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