横浜F・マリノスのMF天野純(29)が好調を維持している。今季リーグ戦で先発は3試合と少ないが、ピッチに立つと広い視野と高い技術で見る者をうならせる。

2-0で勝利した9日のヴィッセル神戸戦では、FWマルコス・ジュニオールの負傷により、前半20分から緊急出場。同41分にセンターサークル手前から左へのサイドチェンジで先制点の起点となり、後半35分にはこぼれ球に詰めて追加点を奪った。

本人も「ピッチに出たときに自分の質を監督、スタッフ、サポーターのみなさんに見せつけて、『やっぱり天野純がいいんじゃないか』という思いにさせる。その繰り返しができている実感はある」と、このところのパフォーマンスに手応えを明かしている。

横浜の下部組織で育ち、順大を経て14年に古巣でプロになった。17年からはレギュラーとして活躍し、19年夏にベルギー2部ロケレンに移籍したが、コロナ禍でクラブが破産。20年5月に横浜へ復帰するも、定位置を取り戻せないまま21年シーズンを迎え、その一方でチームは公式戦16試合負けなしと絶好調だ。

それでも、本人はブレていない。天野は「出たときにクオリティーを証明する作業だけにフォーカスできている」と、自身の持ち味を発揮することが、定位置確保につながると理解している。

さらに「もうひとつは、サッカーをまず楽しむこと。楽しんでいたらおのずと良いプレーになり、サポーターもワクワクできると思う。心構えが変わったことが、好調につながっていると思う」と分析した。

好調のチームに、好調の男あり。先発のピッチに立たずとも、天野はチームの攻撃をけん引している。【杉山理紗】

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