ヴィッセル神戸が、ベルギー代表DFトーマス・フェルマーレン(35)の起死回生の同点ゴールで、今季初の連敗を阻止した。

1点を追う後半51分、事実上最後のプレーで公式戦初得点。1-1でホームC大阪戦は執念ドローに持ち込んだ。主将MFイニエスタが後半途中から投入され、神戸の攻撃が活性化されていた。

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神戸の主将イニエスタは、殊勲のフェルマーレンの背後でガッツポーズをしていた。ロスタイム5分が表示された後半49分51秒。前川のゴールキックから菊池、マシカ、リンコン、ドウグラス、菊池、古橋、マシカとつながれたパスを、最後はフェルマーレンが左足を振り抜いた。相手クリアを含め、約15秒もパスをつないだ結果、値千金の1発になった。

「あの場面は思い切り振り抜くだけ。勝者の精神とはあきらめないこと」とフェルマーレン。19年7月にバルセロナから入団。J1通算29試合目、公式戦を含めても初得点に「完璧なゴールだ」と自画自賛だ。

イニエスタが23年末までの契約延長を発表後、初めて迎える試合。主将はこの日も公式戦4試合連続となる後半途中から出場し、今季最長33分間プレー。スルーパスを連発した。最後の得点場面は無関係の位置にいたが、主将がつくった攻撃のリズムが執念を呼び起こした。6月の先発復帰へ確実に調子を上げている。

三浦監督は「今日の勝ち点1が今季(が)終わる時、いい成績に影響しているはず」と胸を張る。14試合を終えて依然2敗を死守し、目標の3位(以内)へ勝ち点4差の7位にいる。【横田和幸】