"マルちゃん砲"で下克上だ。17位のベガルタ仙台は2位名古屋グランパスに1-0で競り勝ち、今季初の2連勝で3勝目を飾った。

勝ち点3を手にした22日のホーム大分戦からスタメン6人を入れ替え。リーグ戦16戦目でFW西村とFW皆川が初めて2トップを組んだ。その2人の連係から前半42分、MFマルティノス(30)が決勝点となる先制ゴール。12日のアウェー川崎F戦で後半ロスタイムに起死回生の同点弾を決めた頼れる助っ人が、再びチームに勝ち点を呼び込んだ。

マルティノスが利き足とは逆の右足で「三度目の正直弾」を決めた。前半33分、右クロスからの右足フィニッシュは相手GKに阻まれた。同34分には左クロスから再び狙うが、ミートできず。同42分、西村、皆川とつなぎ、マルティノスがペナルティーエリアに進入し、角度のないところから右足で今季2点目を流し込んだ。

決勝点を挙げ、ヒーローとなった背番号「20」は「自分の左足がどういうものなのか皆さんは知っていると思う。今日は右足を振りゴールを奪ったので、これからは右足も警戒しないといけないと思う」と相手に注意を呼びかけた。首位川崎F、2位名古屋の上位2チームからゴールを奪い、勝ち点につなげた。「個人として難しい時期もあったが、自分のクオリティーを証明できたし、チームのためにどういうことができるかも証明できたと思う」と力を込めた。

仙台は15年以来6年ぶりに豊田スタジアムに乗り込んだ。同地ではこの試合を含めて5戦で3勝1分け1敗と抜群の相性を発揮。4月17日のアウェー横浜FC戦から中2~3日の間隔で始まった13連戦も、次節30日のホームC大阪戦で終わりを迎える。ルヴァン杯を含めてここまでの12試合は5勝2分け5敗。リーグ戦は5月に今季初勝利をつかんでから3勝を積み上げた。怒濤(どとう)の追い上げで残留圏内の16位柏に勝ち点1差と射程圏内にとらえた。