子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレー見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。第6回はDF鈴木準弥(25)。

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今季から東京に加入したDF鈴木は、1歳になったばかりの長女の存在が大きなモチベーションだ。練習を終えて帰宅してからは、愛犬も一緒になって散歩をしたり、昼寝をしたり。「日々できることが増えていくので、成長がわかります」と目を細めた。

コロナ禍以前は妻と2人での生活だったため、藤枝に所属していた際はオフに静岡からディズニーランドに向かって1日を過ごすなどアウトドアも楽しんでいた。「コロナ禍になってすぐの時期は練習もなし、チームのルールで外出もなし。やることがなさすぎてどうしようかと。自宅でトレーニングをしても時間が余って、見たことがあるドラマを見返していたりした」と苦笑いで振り返った。

夏場までは、子どもの夜泣きにも対応した。大変なこともあるが「かわいいのが圧倒的に勝つ」ときっぱり。「一般企業に勤める方よりも、子どもと過ごせる時間は長いと思う」とも語った。

毎日が勝負になるプロの世界。今季から初めてJ1に挑戦することになった。すでに公式戦にも出場しているが、常に激しいポジション争いがある。「調子がいいときも悪いときもある。うまくいかなければ気持ちも沈むけど、家に帰って家族がいると、また頑張ろうという気持ちになる」と素直な心境を口にした。守る存在が増えたことが、鈴木の気持ちをまた強くする。「子どもが物心つくまで現役をつづけて、サッカー選手なんだとわかってもらうまで頑張りたい」と、優しく力のこもった口調で語った。【岡崎悠利】

◆鈴木準弥(すずき・じゅんや)1996年(平8)1月7日、静岡県沼津市出身。主なポジションはSB。清水ユースから早大にすすみ、17年ユニバーシアードに出場し優勝。卒業後18年にドイツ3部アーレン、19年に藤枝を経て20年に秋田に加入。リーグ33試合に出場してJ2昇格に貢献し、今季から東京に完全移籍。好きな歌手はサザンオールスターズ、好きな漫画はONE PIECE。176センチ、71キロ。