子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレー見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。第11回はDF中村拓海(20)。

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DF中村は“朝活”が1日の善しあしに関わる大切な時間だと考えている。起床時間は練習の有無にかかわらず、決まって午前6時。本を読むこと、お気に入りの音楽をスピーカーで流すことで気分を整えている。「アフリカとか、海外の曲などは、ちょっとリズム感が日本と違う。練習に向けても、ふと新しい発想が浮かんだりする」と、言葉にしづらい感覚も大切にしているという。紙の書籍が好きだといい、自宅は「本であふれている。なかなか捨てられなくて」と笑う。

練習前には、個人的に取り組んでいるトレーニングの復習も行う。ボール使わずに体のキレを出すものだといい「感覚を忘れたくないので、朝起きて『こういう感じだったな』と思い出してやる」。ピッチでの練習までにも、準備することはたくさんある。

チームは午前中の練習が多い。午後フリーになるが「コンディションのケアとかに使っている」と話す。早起きな分、睡眠時間を確保するために午後9時ごろには就寝する。「だからこそ朝早く起きて、やりたいことや、勉強したいことをいろいろしたい。その時間を有意義に使えている」。1日のスタートをよくして活力を上げる“朝活”の良さを語った。

コロナ禍になってからの生活に関しては「もともとインドア派なので大きな変化はない」と笑いつつも「友人に会えない時間は続いているので、ストレスというわけではないけど、もっと会っておけばよかったなという気持ちはある」と率直な心境を語った。気兼ねなく食事などで語り合える日々が戻ることも待ちつつ、自己研さんを重ねる毎日だ。【岡崎悠利】

◆中村拓海(なかむら・たくみ)2001年(平13)3月16日、大分県大分市出身。ポジションはSB。大分の下部組織からユース昇格もできたが、強豪の東福岡高に進学。19年に東京に加入、20年8月の湘南戦でJ1初先発。各世代別日本代表に選出。好きな漫画はスラムダンク。好物は寿司。179センチ、70キロ。