子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレー見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。第23回はMF安部柊斗(23)。

   ◇   ◇   ◇

MF安部は、自炊で資本となる体づくりに気を使う。現在は1人暮らしで、クラブハウスで食べる昼食以外の食事は、食材の買い物から自分で行う。普段から雑誌やネットを見て、できる範囲でアスリート向けの栄養バランスを調べている。「作っているのは簡単なものです」と笑いつつ「明大にいたころからたまに作っていたので」と、大学時代に習慣化できたものだと説明した。

90分間走り続けるスタミナも長所。「多少は疲労はくる」というが過密日程で消耗が激しいシーズンも変わらない姿を見せる。練習後のリカバリーでは、居残って多めに走ったり、帰宅してから公園まで走りにいったりする。「そこで気持ちのリフレッシュもできる」と、自身の体の反応を細かくチェックしながらコンディショニングに努めている。

コロナ禍になり、家で1人で過ごす時間が大幅に増えた。在宅時間の充実度を上げようと。家具やクッションをネットで買ってリラックス空間を作ることも試している。壁には、昨季ルヴァン杯で優勝した際の写真を何枚か飾った。「うれしかった瞬間なので、そのときの思いや、考えが浮かんでくる。またそこまでいけるように頑張ろうという思いもこみ上げてくる」と語った。

今季でプロ2年目。現在はアニメ鑑賞にも、はまったという。「『僕のヒーローアカデミア』が好きで。小さい頃はアニメを見ることはなかったけど、今になって日本のアニメってすごいなと感じます」と少し照れくさそうに笑った。就寝時間も早いため、1日のうちで趣味に使う時間は少ないが、つかの間の楽しみも、翌日への活力にしている。【岡崎悠利】

◆安部柊斗(あべ・しゅうと)1997年(平9)12月5日、東京都日野市出身。ポジションは主にボランチ。中学時代から東京の下部組織に所属。ユースから明大に進み、19年には関東大学リーグ、大学選手権、総理大臣杯の3冠など大学サッカーを席巻。同年に東京の特別指定選手となり、6月の神戸戦でプロデビュー。171センチ、67キロ。