12年ぶりのJ1昇格を狙う京都サンガF.C,は、痛恨の引き分けに終わった。

10人の相手を攻略できず逃げきり失敗で、曹貴裁監督(52)は「全体的にゴールに向かう意欲がかなりあった中で、勝ち点1に終わり残念」と悔いた。

後半2分、縦パスを受けたFW宮吉拓実(29)が、技ありのループシュートで先制点を奪った。だが同11分、相手に1人退場者が出たことで、曹監督は「1人少ないことでプレッシャーに行くのか、行かないのかとか、状況を予測しリスク管理をしながら点を取りに行く意図が出せなかった。状況判断ができるよう仕向けられなかった力不足を感じる」。逆に選手が混乱。的確な状況判断に苦しみバランスを崩した。

攻守に中途半端となった中で、ロングボール1発で守備の背後を突かれ、同34分に同点ゴールを許した。MF荒木大吾(27)は「(10人で)相手のカウンターはそこまで来ないだろうと、気の緩みがあった。もっと危機感を持って攻めるべきだった」と猛省する「油断」があった。

残り7試合で、首位ジュビロ磐田とは勝ち点2差。昇格圏2位キープも、4連勝と絶好調の3位ヴァンフォーレ甲府とは勝ち点6差で予断を許さない状況が続く。より重圧のかかる終盤戦だが、荒木は「こういうプレッシャーは得るほどに成長につながる。次につなげられればいい」と前向きにとらえている。【菊川光一】