J2首位を走るジュビロ磐田のJ1復帰が決まった。今季から元日本代表FW中山雅史氏(54)がコーチに就任。指導者として古巣に戻ってきたクラブのレジェンドは、「裏方」としてチームのJ1昇格に貢献した。

コーチとして磐田に戻ってきた「ゴン中山」は黒子に徹していた。現役時代は派手なパフォーマンスや言動で話題を集めたが、今季は自身を前面に出すことはなかった。練習では用具の準備を率先して行い、練習中も声を張り上げて盛り上げた。勝つために得点力を上げる。自身が経験談を熱心に伝えた。

全体練習後、個別で行うシュート練習が日課になっていた。FW大津祐樹(31)は「中山さんが言ってくれると説得力がある」。練習で強調していたことはゴール前に人数をかけること。MF松本昌也(26)も「クロスには必ずニアサイドに走り込めと言われた。逆サイドからでも必ず入っていく意識は強くなった」と話した。

中山コーチは7日の京都との「首位攻防戦」で体調不良のスタッフに代わり、今季初めてベンチ入り。服部年宏ヘッドコーチ(48)は「やじも飛ばしたり、指示も出してもらった。いい雰囲気だった」と振り返った。決勝点の場面は敵陣エリア内に磐田の選手5人が入って奪った得点。「ゴール前に迫力を」と、言い続けてきた教えが結果として表れた。

今季の得点数はJ2最多の71得点。「ゴン効果」が目に見える形で結実し、目標のJ1復帰につながった。

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