勝ち点が並ぶチーム同士の頂上決戦で、手痛い黒星を喫した。首位青森山田が2位清水ユースに0-2で敗戦。順位が入れ替わり、10勝1分け2敗の勝ち点31で2位に後退。主力に故障者が続出する中、一進一退の攻防を繰り広げたが、決定力不足に泣いた。現時点で青森山田は清水ユースよりも2試合消化数が少ないが、全18試合を消化できず、優勝は1試合平均の勝ち点率で争われる見込みだ。それでも、予定される残り3試合で全勝すれば自力Vが決まる。

「1本中の1本」にこだわる青森山田のシュートが、ことごとく外れた。相手の4本に対して14本放つも、今季公式戦初の無得点。MF田沢夢積(ゆづむ、3年)の4本、FW渡辺星来(せら、3年)の3本を筆頭に攻撃の形は作ったが、ゴールネットは揺らせなかった。対照的にU-18日本代表候補の清水ユースFW千葉寛汰(3年)に後半24分、41分とシュート2本で2失点。主将のMF松木玖生(くりゅう、3年)は「振り返るも何も、すべてにおいてエスパルスの方が上でした」と険しかった。

直接対決は「勝ち点6」の重みがあり、黒田剛監督(51)が「悪くても引き分けでいかないといけないゲーム」と話すように、両サイドバック(SB)ら主力の負傷を加味しても、敗戦だけは許されなかった。

11月頭の練習で右SBのDF大戸太陽(3年)が左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。この日途中出場した左SBのDF多久島良紀(2年)も試合後に苦悶(くもん)の表情を浮かべ、指揮官は「調べてみないと分からないが、多久島はちょっと(右足)前十字が怪しいというところです」。MF小原由敬(3年)も後半21分に負傷交代。プレミアリーグ、全国選手権とタイトルがかかる12月の戦いを前に「ちょっと嫌な感じですね」と暗雲が漂う。

2試合消化が少ないものの、2位に後退し、勝ち点3差で追う展開になった。残りは3試合の見込みだ。28日に柏U-18戦、12月5日に東京U-18戦、黒田監督によると、同12日にも試合が予定されているという。優勝の行方は青森山田が16試合、清水ユースが全18試合終了時点での1試合平均の勝ち点率で争うことになりそうだ。松木主将は「自分たちはまだ(平均勝ち点で)勝っている状態。残り3試合に向けて、いい準備をしていきたいです」。3戦全勝なら自力優勝。総力戦で勝ち点9を上積みする。【山田愛斗】