サガン鳥栖がJ1では過去最高の5位に次ぐ7位の好成績で今季を終えた。

4日最終節は、攻守に主導権を握られたヴィッセル神戸に完敗して2連敗フィニッシュ。金明輝監督(40)は「集大成のゲームだったが、決定機を作りながら決めきれなかった。ここをひとつ乗り越えないと、先に進めない」と言い、来季へ課題は残った。だが、開幕前の降格候補からの下馬評を覆す躍進だった。

昨季主力の流出と、経営難による大型補強もできず下位低迷が予想された。だが、前線プレスからボールを奪ってのショートカウンターなど、全員守備全員攻撃の連動で、序盤は一時2位に浮上するなど台風の目になった。

だが、後半戦になると、他チームから研究され、マークが厳しくなるなどして成績は伸び悩んだ。主力のFW林大地(24)やMF松岡大起(20)が今夏の移籍で抜けるなど、さらなる戦力ダウンにも見舞われた。また、金明輝監督(40)がパワーハラスメント行為で3試合の指揮資格停止処分を受けるなど、順風満帆だった訳ではない。

パワハラ騒動に関しては、Jリーグ独自の調査が行われている段階だが、なんとか試練と向き合いながらも完走した。

ただ、来季は現有戦力がそのまま残る保証はない。だが、MF樋口雄太(25)は「来季はどういう体制か分からないし、どういう選手が入るかも分からないが、鳥栖の勝利のためにプレーできる集団でありたい」と願う。12年からJ1定着も、何度も降格危機はあった。今季の教訓を糧に、引き締め直して22年シーズンを戦う。