セレッソ大阪の元日本代表FW大久保嘉人(39)が、浦和レッズに0-2で敗れて、現役引退した。決勝まで、そしてゴールまであと1歩が遠かった。前半41分、最大の見せ場が巡ってきた。DF松田陸からの右クロス。DFの裏に顔を出し、左足を伸ばす。届かなかったのは、ほんの数センチ、そして花道となるはずだった決勝まであと1勝。序盤には果敢にロングシュートを狙い、劣勢に立たされていた同31分には1人で攻め上がった。得点のにおいはあった。
「素晴らしいスタジアムでできて幸せでした。(決定機が)何本かありましたけど届かなかった。悔しいですけどスッキリしました。長いサッカー人生は、苦しくもあり楽しかった」
振り返ればいつも「あと1歩」にもがいていた。天皇杯は3度決勝の舞台に立ったが全て準優勝。川崎フロンターレ時代に3年連続得点王になるもチームがリーグ初制覇したのは大久保が去った17年だった。ドイツリーグを制したウォルフスブルク時代は控えが主で、優勝決定の試合は39度の高熱でベンチ外だった。
「もうキツイことはしなくていいし走らなくていい。人生はこれからの方が長い。勉強して挑戦したい」
まだやれる-。誰もが感じた最後の勇姿だった。輝きを残したまま、日本最高のFWはピッチを去った。



