JFL鈴鹿ポイントゲッターズのFWカズ(三浦知良、55)が23日、亡き「育ての親」に生涯現役を誓った。

鈴鹿三浦泰年監督(56)とカズの叔父で兄弟が育った「城内FC」の監督だった納谷義郎さん(享年76)の通夜がこの日、静岡市内で営まれた。

カズは目を潤ませながら「最後の言葉は『おまえは、いつまでもかっこよくいろよ』だった」と明かした。

「親以上の存在。実の父親(宣雄氏)より長く一緒にいたし、唯一自分のことを認めてくれたのが義郎さんだった」と振り返った。

城内FCでサッカーを覚え、好きになった。徹底して個人技を鍛えられた。「パスすると怒られた。ドリブルして相手を抜けってね」と懐かしそうに言った。

静岡学園高に進んでユース日本代表などでも活躍した兄泰年に比べ、カズは成長が遅かった。

静岡学園1年で中退してブラジルに渡る時も「周りはみんな反対。カズには無理だって。でも、義郎さんだけは賛成してくれた。『日本のトップ選手になるかも』と。義郎さんがいなければ、今の自分はない」と言った。

Jリーグ、日本代表での活躍を、いつも喜んでくれた。今年、兄が監督を務める鈴鹿に移籍した後も、2人の活躍を楽しみにしていた。

「開幕戦に勝った後、メールも来た。喜んでくれたよ」

最後に会ったのは、55歳の誕生日を迎えた2日後の2月28日。新型コロナ禍で面会も制限されていたが、最後に会えた。

その時言われたのが「いつまでも、かっこよくいろよ」だった。「いろいろな意味があると思う。とにかく、やり続けることかな」と笑った。

カズとヤスをはじめ、多くの選手を育てた納谷義郎氏。早くからブラジル流を取り入れて個を育て、先駆者として育成面でも功績を残した。

この日、参列者は半世紀以上にわたる教え子やサッカー関係者ら約700人。

「感謝しかない。言葉では表せないですね」

大切な人への思いを胸に、カズは走り続ける。【荻島弘一】