C大阪が1-0で神戸を下し、敵地で恩返しの白星を飾った。この試合が神戸での初陣となったミゲル・アンヘル・ロティーナ新監督(64)は、2年前まではC大阪の指揮官。当時コーチだった小菊昭雄監督(46)や選手が成長を示し、初の師弟対決で今季初完封も演じた。通算3勝3分け2敗で6位に浮上。3連敗の神戸は開幕10戦未勝利(4分け6敗)でクラブワーストをまたも更新した。

【詳細スコア】神戸-C大阪

運命的に実現した師弟対決が終わると、C大阪小菊監督に、MF奥埜ら選手は神戸ロティーナ監督の元へあいさつに訪れた。守護神キム・ジンヒョンは「ロティーナ監督が日本に帰ってきて、うれしかった。ただ、自分たちのサッカーをすれば、絶対に勝てると思っていた」。

19年に5位、20年に4位へと導いてくれたC大阪のかつての恩師は突然、神戸の監督に就任した。その初陣がこの舞台。2年前はコーチとして恩師に師事した小菊監督は、前日に「不思議な縁」と語っていた。

前半は果敢なプレスで主導権を握り、FW加藤の今季初得点で先制。後半は一転し、自陣での守備を優先した。「ロティーナさんはいろんな手を打ってくることが想定できたので、意図的に引き込んで、カウンターを全員で徹底してくれた」と小菊監督。

前々節は王者川崎Fに大勝も、前節は柏に苦杯。一本調子の攻めを反省し、この日はメリハリをつけた戦略を貫いた。

試合後は神戸のACL壮行会が開かれ、ロティーナ監督が神戸サポーターへマイクを握った。その冒頭で「C大阪ファンのみなさん、勝利、おめでとう」と粋な祝辞を贈られた。恩師から白星をつかんだ小菊セレッソが、大きな階段を上った。【横田和幸】