今季最初の「奥羽本戦」で“5発快勝”を収めた。モンテディオ山形がブラウブリッツ秋田を5-1で下し、今季ホーム初白星をつかんだ。1-1の後半21分、今季初先発のポルトガル人MFチアゴ・アウベス(25)が移籍後初ゴール。6日に入団会見したばかりのブラジル人FWデラトーレ(29)は途中出場で2ゴールし、鮮烈デビューを果たした。次節は17日、アウェー町田戦。新戦力の活躍を浮上のきっかけとし、「山形一丸」で上位に食い込んでみせる。

雲1つない青空の下で試合終了のホイッスルが響いた。山形が後半だけで5ゴールを奪う快勝劇。駆けつけたサポーターは2月27日アウェー熊本戦以来の1勝に沸いた。ピーター・クラモフスキー監督は「自分たちのパフォーマンスとスコアボードが見合った結果になった。5点取れたということでファンを笑顔で帰すことができてうれしい」と喜びをかみしめた。

嫌なムードをすぐさま消し去った。後半7分、FW藤本佳希のゴールで先制。だが同13分、オウンゴールで同点に。同21分、FW鈴木国友が放ったシュートのこぼれ球をアウベスが右足で値千金の勝ち越しゴール。「必ずボールを入れてくれることを信じて走った結果。押し込むだけ」と振り返った。

勢いは止まらない。後半42分、DFの裏に抜け出したデラトーレがGKとの1対1を冷静に決め、移籍後初ゴール。ロスタイムにはペナルティーエリア右から距離のある芸術的なループシュートを決めた。デビュー戦で勝利に貢献したデラトーレは「サポーターが最初から最後まで素晴らしい雰囲気をつくってくれた。サポーターの後押しで勝利に導けた」と感謝を伝えた。

同じ東北勢から手にしたホームでの勝ち点「3」。ゴール後には右膝前十字靱帯(じんたい)損傷で長期離脱となったMF岡崎建哉のユニホームを掲げ、全員で得点を喜んだ。シーズンはまだ序盤。仲間の分もピッチを走り抜け、何度も山形に歓喜をもたらしてみせる。【相沢孔志】