アルビレックス新潟はアウェーでファジアーノ岡山と1-1で引き分けた。前半12分、FW谷口海斗(26)がMF本間至恩(21)の左クロスから3試合連発となる今季6ゴール目を決めて先制も、同29分に追いつかれた。試合の主導権を握られた後半は相手のセットプレーやロングスローから何度もピンチを迎えたが、GK小島亨介(25)を中心に耐え、敵地でしぶとく勝ち点1を手にした。次節は23日、ホームでV・ファーレン長崎と対戦する。

試合後、肩を落とし気味に観客席にあいさつする新潟の選手を包んだのは、敵地に駆けつけた300人のサポーターの拍手だった。

0-0の前半12分、谷口が本間の左クロスを頭で合わせて先制点をゲット。3戦連発弾を決めたエースは「相手センターバックがボールウオッチャーになったので逆に逃げた。いいボールが来たので合わせるだけだった」。ここまで谷口がゴールを決めた試合は4戦全勝だった。得点ランク単独2位となる今季6得点目が初めて勝利にはつながらず「僕たちは勝ちに来ている。勝ち点1は正直、悔しい」。

試合前日の16日、松橋力蔵監督(53)はハイプレスを仕掛けてくる岡山に対して「逆手を取り、背後を突きたい」と話していた。狙い通り、相手サイドバックの背後にできるスペースを有効活用して先制に成功。MF島田譲(31)のフィードに抜け出し、ドリブル突破から左足クロスでゴールをアシストした本間は「フワッとしたボールをファーサイドに出せれば、相手よりFW陣が優位な態勢になれる。1つ結果を残せたことは自信になる」と振り返った。

だが、得点シーン以外は我慢の展開。地上戦を得意とする相手の攻撃に手を焼き、シュート数は新潟の4倍となる12本を浴びた。それでも小島が好セーブを連発。勝ち越し点は許さなかった守護神は「全員が体を張ったし、続けて失点しなかったことは収穫」と言った。

前節終了時点の5位から6位に順位は落としたが、敵地で勝ち点1を積み上げた。次節から10位長崎、18位岩手とのホーム2連戦が控える。谷口は「課題を修正してホームで勝ちきりたい」と気持ちを切り替えた。【小林忠】