5月8日は母の日。11年サッカー女子W杯で世界一に輝いたDF岩清水梓(35=日テレ東京V)は、第1子の出産を経て復帰した。今年の母の日は、WEリーグ第20節新潟戦が開催。かっこいい母の姿を見せる。
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母と選手の両立。大変な日々にも、岩清水は楽しさを感じている。「好きなサッカーやらせてもらって、お母さんもやらせてもらって。つらいこともありますけど、トータルして楽しく過ごしています」。20年3月3日、第1子の聖悟君を出産。直後は腹筋も落ち、体を起こす普通の動作さえ難しかった。最初は聖悟君が眠る横でトレーニングを始め、地道なステップを踏みピッチに戻ってきた。
今年3月5日長野戦ではスタメン出場を果たし、1つの目標だった「わが子と選手入場」という夢をかなえた。日本ではなかなか見られなかったシーンだが、海外では当たり前。岩清水は代表戦の時のある光景を覚えている。「アメリカの選手に何人かママさんがいて、終わった後に(子どもが)降りてきてピッチを駆け回って。それを若い頃から自分も見てて、すてきな光景だなと思っていました」。2つの顔を使い分ける姿にあこがれていた。
11年に世界一に輝いてから約11年。ともに戦った澤穂希さんとは、互いの子どもの写真を送り成長を確認し合う仲。時の流れを感じながら、新たな思いも芽生えている。「お母さんになってもやりたいという選手の影響の1つになれるように、自分は表現していくべきかなと思う。今は継続というところに、しっかり重きを置いています」。
母として目指すのは、自らのお母さんだ。「え、復帰しないの?」の一言で、再びピッチへと導いてくれた。「自分もそういう母親になりたいな」。毎日3食、おいしいご飯を作ってくれた偉大さも、母になって実感する。
2歳になった聖悟君は、少しずつ「ママの仕事」を理解し始めた。「ママ、今日サッカー行ってくるね」。岩清水が練習に向かおうすると、離れたくない一心で「聖悟くんも、サッカー!」と答えるという。サッカーボールをまだ手で触ってしまう、そんなかわいらしい姿もプレーを続ける理由だ。「選手としてやっていられるうちに、聖悟にサッカー選手って認識してもらいたい。引退する頃には手紙一つ読んでくれたらうれしいな。読めなかったら、お花持ってきてくれるような(笑い)」。選手として、母として。どちらの夢もかなえるために、まだまだピッチを駆け回る。【磯綾乃】
◆女子サッカーの主なママ選手 現在なでしこジャパンでコーチを務める宮本ともみさん(43)は、伊賀FCくノ一時代の05年5月に第1子の長男を出産。翌年10月には日本代表にも再招集された。代表活動で宮本さんの姿を見ていた岩清水は、今季発足したWEリーグで初めて出産を経て復帰した選手。ジェフユナイテッド市原・千葉レディースのFW大滝麻未(32)は、昨年11月5日に第1子の長男を出産し翌月に練習復帰。今年2月27日の皇后杯決勝で、産後初めてピッチに立った。
◆岩清水梓(いわしみず・あずさ)1986年(昭61)10月14日、岩手県滝沢村(現・滝沢市)生まれ。小1時に神奈川・大沼SSSSでサッカーを始め、中学1年時に日テレ東京Vの下部組織入団後、チーム一筋。06年に日本代表デビュー、3度のW杯と2度の五輪に出場。11年W杯優勝メンバー。国際Aマッチ122試合、11得点。20年3月3日の出産を経て、21年5月9日のWEリーグプレシーズンマッチ・千葉戦で試合に復帰した。163センチ、55キロ。血液型A。



