Jリーグは28日、理事会を行い、「八百長未遂」があった日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズの「百年構想クラブ」資格を、失格処分にすることを決定した。

「百年構想クラブ」資格はJ3昇格への必須条件。来月にはJ3クラブライセンス審査が行われるため、来季の鈴鹿のJリーグ入りの道は絶たれた。再び資格を得るには、今年11月末以降再申請し認められることが必要で、J3入会は最短で24年シーズンとなる。

Jリーグ側は理由について「ガバナンスの改善に至ると客観的に判断できうるまでの十分な体制構築が行われていないことから、(資格停止)解除条件を満たすことができない」と説明。さまざまな要件を満たしているか、総合的な判断で決定された。

鈴鹿はオーナーが保有する株式を全て譲渡すると発表していたが、新株主の調整は譲渡合意には至っていなかった。また、代表取締役社長の吉田雅一氏以下4名の役員が辞任するなど体制が刷新されたが、新体制も始まったばかりで、適正に運用されるか今後見ていく必要があるとした。

今回の処分対象となったのは20年11月29日のソニー仙台戦。翌シーズン以降のJ3昇格を目指していた鈴鹿は、他のチームに昇格されることを避けるため、クラブ幹部が敗退を指示。監督、選手らは激しく反発し、実際の試合では意図的に負けた様子はなかった。

Jリーグは4月下旬の理事会で、鈴鹿の体制改善に向けた進捗(しんちょく)状況を共有。J3クラブライセンスの申請期限が6月末であるため、今回の理事会まで審議を続けていた。

三浦監督の弟で元日本代表FWカズ(三浦知良)が在籍するチームは、現在JFLで16チーム中10位。首位から勝ち点差6の混戦状態で奮闘を続けていた。

 

◆J3へ昇格(入会)するには (1)Jリーグ準加盟に相当する「Jリーグ百年構想クラブ」に認定(2)J3ライセンスを交付(3)Jリーグ理事会で入会を承認(4)JFLでの競技成績を満たすこと。JFLの最終順位が4位以内で、かつJFLに属する百年構想クラブのうち、上位2クラブに入っていることが要件になる。