コンサドーレ札幌がアビスパ福岡に1-2で逆転負けし、5試合ぶりとなる黒星を喫した。前半12分、MF青木亮太(26)が先制点を挙げたが、後半30、32分と立て続けに失点してひっくり返された。勝てば6年連続のJ1残留が確定したが、1万4202人のサポーターの前では決められず、持ち越しとなった。順位は11位のまま。残り3試合となり、次戦浦和レッズ戦(12日、埼玉スタジアム)で勝てばJ1残留が決まる。

札幌は魔の2分間で残留を決められなかった。残り15分を逃げ切れなかった。相手右CKからのヘディングシュートはポストに当たりはね返るも味方に当たりゴールラインを割って同点。警戒していた空中戦に屈した。その2分後にはロングボールからの個人技に勝ち越し点を献上した。ペトロビッチ監督(64)は会見冒頭で「ふぅー」と大きく息をはき「痛い敗戦になるが、戦いはまだ続く。しっかり前を向いて次の試合のために準備したい」と言葉を搾り出した。

前半33分、MF駒井が左膝を痛めるアクシデントで途中交代した。MF高嶺は累積警告による出場停止、荒野、深井、宮沢はケガで不在とボランチが手薄なチーム状況に、さらに追い打ちをかけられた。「妥協して前線の選手をボランチで使うしかなかった」(同監督)と、シャドー(1・5列目)で先発し前半12分に先制点を決めていたMF青木を中盤に下げざるを得ず、攻守でのバランスを欠いた。

青木が今季チーム最多を更新する6点目を決めたが、勝利にはつなげられなかった。「早く残留を決めなきゃいけない。次はしっかり決められるように」と気持ちを切り替える。J1通算100試合目の節目を達成したMF金子は「今日勝てば残留という試合を落としてしまった。次の浦和戦で絶対勝って全員で残留を決めたい」と誓った。今節は残留争いする下位が勝ち点を積み重ね、順位が変動。残り3試合。6年連続のJ1残留を、次こそ決めなければならない。【保坂果那】

■GKク・ソンユン今日合流

来季3季ぶりに札幌に復帰するGKク・ソンユン(28)が久しぶりにサポーターの前に登場した。福岡戦の終了後、ピッチに現れた。20年に兵役準備のため韓国Kリーグに完全移籍するまでの6シーズン所属。この日の午後、新千歳空港に到着して札幌ドームに直行し「ただいま」と笑顔を見せた。9日の練習からチームに合流し、来季に向けて準備する。