前節までリーグ16位のFC大阪が、同1位の奈良クラブに1-0で勝利した。

それぞれ大阪・東大阪市と奈良市に本拠地を置き、間にそびえ立つ生駒山をはさんで「生駒山ダービー」と呼ばれるこの対決。J3に同時昇格した関西のライバルチームが、J3昇格後初めて対戦した。

雨の中、応援が燃えた。

両者積極的にプレーするもシュートまでつなげられず、スコアレスで試合が続いた。それでも後半28分、相手GKがペナルティーエリアでファウル。PKの権利を得ると、FW島田拓海(26)が好機を右足で先制した。

島田は「特別なゴールになりました」と話す。

奈良出身で、19年から2年間奈良クラブに在籍。古巣との対決に複雑な気持ちもあったが「いつも以上に気合が入ってパワーが出た」。

決勝点を挙げ、相手サポーターからは「何してくれてんねん!」という声も聞こえたが「地元で成長した姿を見せられて良かった」と笑みをこぼした。

相手は、第1節での黒星以来負けなし。ライバルとの直接対決で勝利したことは、同クラブにとって貴重なものだった。

志垣良監督(43)は「しっかり隙を見せずにプレーしてくれた」と評価し「気持ちの入った歴史的な一戦になった。両クラブとも切磋琢磨(せっさたくま)していい戦いを続けていきたい」と話していた。