川崎フロンターレ(川崎F)がホームで柏レイソルに2-0で快勝し、リーグ戦の連敗を2で止めた。ベテランのFW小林悠とDF登里享平が決めて、ホームでサポーターと勝利を分かち合った。

アクシデントが起こったのは、1-0の前半46分に登里がゴールを決めた後だった。チームのムードメーカーの今季2点目にチームメートも大喜び。登里は、駆け寄ってきた小林と抱き合った後に、左肩を押さえてピッチに倒れ込んだ。そのまま担架でピッチを後にし、前半終了となった。

小林は「2点目がほしい中で、登(里)が決めてくれたので、うれしくで抱きついたら、あいつの肩痛めちゃった…。あんなんで痛むんかなって思いながら、申し訳ないな、やばいなって思いながら…」。

結局、登里は後半開始からピッチに立ち、試合終了まで変わらずプレーした。小林は「最後までやってくれたので、よかったです」と安心した様子だった。

10年以上ともにプレーする盟友の一撃には、心震えるものがあった。登里の得意ではない右足でのゴラッソに「登(里)だったのが特別うれしかったですね。まさかあんなうまいシュート決めると思わなかった」。

実は2人にはシュートを巡ってやや変わった関係があるという。「シュート練しているとあいつがふざけて顔出してきて、訳の分からないアドバイスだけいうんです。『片目つぶって』とか、訳わからない変なアドバイス。『両目つぶって』とか。だから『師匠』というあだ名がついていた。決めるのはやっぱ師匠ですね(笑い)。すばらしかったですね」と明かした。

エースに「師匠」と言わしめる登里は「1回止めてからシュートに(選択肢を)変えた。空くのがわかりましたので、思い切って振っただけ。技術というより本当に気持ち。崩しのノリと勢いでいけた」と冷静に振り返った。

肩を痛めたシーンについては「また折れたかなって思った」といいつつ「まあでもキャンプテンマークを巻いていましたし、しっかりプレーするというところで、出たかったし、チームを勝たせたかった。しっかりプレーしたかった。次に向けてケアしていきたい」と前を向いた。

頼れるベテラン2人が声だけでなく、結果を残してチームを救った。若手の奮起、チーム力の底上げにも期待したい。【佐藤成】