U-20ワールドカップ(W杯)アルゼンチン大会に出場した同日本代表の練習パートナーとして、現地に同行していたセレッソ大阪のMF石渡ネルソン(18)が30日、大阪市内で行われた練習で本格始動した。

21日に行われた1次リーグ第1戦のセネガル戦を会場で観戦するまでの約2週間、U-20日本代表の練習パートナーとしてアルゼンチンに同行。先週に帰国し、C大阪に合流していた石渡は、この日の実戦練習で精力的に動き回った。アルゼンチンと日本の時差は12時間もあり、今週になってようやく時差ぼけが解消されたという。

「日本-セネガル戦をスタンドから見て、W杯の雰囲気はすごかった。2年後に自分が出るために、日頃から意識を変えて、やっていかないといけないと思った」

2年に1度開催のU-20W杯へは、次回大会も有資格者の18歳。「もちろん、もっと上の代表(24年パリ五輪代表やA代表)にいければいいが、自分の年代の大会なので意識している」と意気込んだ。

本来はC大阪ユース(U-18)所属の高校3年生だが、今季から飛び級でプロ契約を結んだ。昨季は2種登録でJ1デビューを飾り、今季はMF香川真司(34)の加入もあり、層の厚いMF陣の中で公式戦の出番はない。

「U-20代表では、海外(シュツットガルト)でやっている(DFチェイス・)アンリ君や海外組と一緒にいて、プレー強度もすごく高かった。その中で普通にできるようにならないと、世界では戦えないと思った。いい刺激になった」

現在は大阪・興国高3年生の石渡にとって、今回の代表には同高の卒業生がFW北野颯太(C大阪)、MF永長鷹虎(川崎F)、GK春名竜聖(J2水戸)と3人おり、練習以外の時間も楽しく過ごせたようだ。

「海外移籍は小さい時から目標にあり、その前にC大阪で活躍するのが(前提として)ある。まずは試合に出ないといけない」

京都市生まれで、ナイジェリア人の父、日本人の母を持つ。手足の長さが際立つ185センチ、71キロの大型ボランチが、世界で受けた刺激を武器にJリーグでの活躍を目指す。

 

◆石渡(いしわたり)ネルソン 2005年(平17)5月10日、京都府生まれ。西京極JSCからC大阪下部組織に進み、高校2年だった22年は2種登録でトップチームに定着し、J1で1試合、ルヴァン杯で1試合に出場。手足が長く、視野が広い、ダイナミックなプレーを武器に各年代の日本代表を経験。背番号37。185センチ、71キロ。