J1アルビレックス新潟からベルギー1部シントトロイデンに完全移籍するMF伊藤涼太郎(25)が「新潟ラストマッチ」に臨む。

11日の京都戦に向け、10日は聖籠町で調整。ここまでリーグ戦全16試合に出場し、7ゴール4アシストとエースとして攻撃をけん引してきた。創造力と培ったテクニックでチームをリーグ戦4試合ぶりの勝利に導き、欧州の舞台へ旅立つ。

 

伊藤はいつもと変わりなく、新潟での練習を終えた。最も旬なゲームメーカー。報道陣に公開された練習では足に吸い込まれるかのような繊細なボールさばきや得意のワンタッチパスを何度も披露した。全体練習後には日課となっている「居残りシュート練習」を行い、最後まで“らしさ”を貫いた。

伊藤は新潟に完全移籍で加入する前は期限付き移籍を繰り返した。GK小島亨介(26)は19年にJ2大分で伊藤とともにプレーをしている。伊藤の海外移籍について「(伊藤)涼太郎のステップアップはチームにとってもポジティブなこと。何とか勝って、(ベルギーに)送り出したいという気持ちです」と同僚への思いを話した。

ホームでの京都戦には多くのサポーターが詰めかけることになりそうだ。「サポーターを楽しませたり、もう1回、お金を払ってでも来たいと思ってもらえるように毎試合プレーしている。その気持ちを忘れずにプレーしたい」とホームサポーターの前での躍動を約束する。

チームは直近のリーグ戦3試合は1分け2敗。京都戦でリーグ戦後半に向けての折り返しとなる。伊藤は「(京都は)中盤が堅いイメージだが、自分のアイデアやワンタッチだったりで、らしさを出していければ崩せると思う」とゴールへのイメージを持ちながら、「正直、気持ちは入ると思うが、平常心を持って、いつも通りプレーしたい」と自らに言い聞かせるようだった。【大島享也】