元スペイン代表で、ヴィッセル神戸MFアンドレス・イニエスタ(39)が、午後7時キックオフのホーム札幌戦(ノエスタ)をラストマッチとして退団する。

6月30日には「自分の最大限を明日は出せれば。最後にふさわしい試合ができればと思う」と意気込んだ。吉田孝行監督(46)も「出場すると思う」と起用を明言している。

イニエスタは5月7日横浜FC戦以来、リーグ戦で今季4試合目の出場になる。

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優勝争いを繰り広げる神戸のスタイルは、ハードワーク重視で、今季のイニエスタは出番が減っていた。

5月25日の退団会見では「歩む道が分かれ始め、監督の優先順位も違うところにある」と、端的に自らが置かれた立場を説明した。

18年のイニエスタ加入時から、神戸は「バルサ化」を掲げ、ショートパスを多用したポゼッション重視のスタイルでチーム作りを進めていた。

19年度(20年元日)の天皇杯優勝、20年はACL初挑戦でベスト4進出、21年はクラブ史上最高のリーグ3位。

着実にステップアップしていた。

風向きが変わったのは22年シーズンだった。

開幕から成績不振に陥って、次々と監督が就任した。J2降格の危機に直面した状態で吉田監督が登板。けがによるイニエスタの不在もあって、違うスタイルのチームに転換した。

J1残留を果たし、続投した吉田監督は、全体が連動する守備をベースとした戦いを選択している。リーグ前半戦は長く首位を守るなど、そのスタイルは機能した。

イニエスタは試合の流れを変える存在として途中出場での起用となっていった。

イニエスタは退団会見でこうも言った。

「ずっと自分はここで引退する姿を想像してきたが、まだまだプレーを続け、ピッチで闘い続けたい思いはある」。

神戸への愛着を持ちつつも、最後は試合に出たい、というアスリートの本能に従う形での退団だった。