東京のルーキーFW俵積田晃太(19)が鳥栖戦に途中出場し、プロ初ゴールとなる勝ち越し点を決めた。これで東京は公式戦での鳥栖戦の連敗を8でストップ。鬼門を突破した。

2-2の後半33分にFWアダイウトンに代わって出場。42分、FW渡辺凌磨のシュートがGKに弾かれたこぼれ球に詰めた。前半で0-2とされる苦しい展開をひっくり返す1発に、ゴール裏のサポーターに駆け寄って感情を爆発させた。試合後は「引き分けの状態で(ピッチに)入って、自分がなんとかしてやろうと思っていた。気持ちで押し込んだ」と笑みを浮かべた。

クラモフスキー監督がシーズン途中に就任した直後の6月24日の名古屋戦からスタメンに抜てきされ、7月1日のホーム柏戦ではプロ初アシストも記録した。一方で直近ではリーグ4試合で1分け3敗と調子が上がらず、前節の川崎フロンターレ戦から先発を外れていた。

先発を勝ち取りながらも、前線の選手として数字が残らない試合が続き「苦しんだ時期もあった」と胸中を明かす。「ベテラン選手が声をかけてくださったり、家族にも支えてもらった」。DF森重真人主将(36)からかけられた「苦しいときこそ、やれ」の言葉が、胸に刻まれているという。

ようやくつかんだプロ初ゴール。うれしさと安堵(あんど)が交じって表情をゆるませながらも「へんに変わることはなくやりたい」と次のゴールに目を向けた。期待のルーキーが、ここからチームとともに上昇気流に乗る。