J2復帰1年目のカターレ富山が、高卒ルーキーの劇的すぎる後半アディショナルタイム弾で、降格圏18位からミラクル残留をつかんだ。
ホームで3-1とリードして90分が経過し、後半追加タイムに突入した場面。この時点で、残留圏17位のロアッソ熊本と全く同じ「9勝」「10分け」「19敗」「勝ち点37」「得失点差-15」で並んでいたが、総得点だけは富山の「33」に対して熊本が「41」と下回っていた。
このままでは、快勝もむなしく降格となるところから高卒ルーキー1年目の「金狼」が躍動した。後半14分から投入されていたMF亀田歩夢(18)だ。左サイドでボールを受けると、ゴール前に両軍が密集する中でドリブルを選択。誰にも渡さず、自身で完結させて1人2人とかわしていく。最後は右足でゴール右隅に狙い澄まして決め、地獄から天国に導いた。
結果、熊本がヴァンフォーレ甲府と0-0で引き分けたため、富山が得失点差で「1」上回って、大逆転の残留を奇跡的に遂げた。
1年前のこの時期、亀田はまだ流通経大柏高で全国選手権を控えている3年生だった。その舞台では年明けの決勝まで進出し、準優勝。国立を沸かせていたアタッカーが、Jリーガー1年目の最終節、最終盤にプロ初ゴールで救世主になった。
その直前、あと2点が必要だった2-1の後半44分には、MF椎名伸志(34)が地をはうミドルシュートを突き刺した。クラブ在籍11年目。4度の前十字靱帯(じんたい)断裂とJ3暮らしのため、意外にもJ2初ゴールとなった一撃が希望をつないだ。
青森山田高では主将を務め、学年が1つ下だったMF柴崎岳とのボランチで09年度の全国高校サッカーで準優勝。冬の「選手権」を沸かせた2人の活躍で、北陸富山が来季もJ2で戦う資格を守り抜いた。



