サッカー元日本代表の奥大介容疑者(37)が妻で女優の佐伯日菜子(36)を電話で脅したとして神奈川県警戸塚署に脅迫の疑いで逮捕されてから一夜明けた7日、近所の住民からは驚きの声が上がった。自宅近くの飲食店店員は「2人とも誰にでも優しかったので信じられない」と話した。同容疑者は、この日未明、逮捕先の兵庫県尼崎市から戸塚署に移送された。

 奥容疑者は6日午後7時半ごろ、実家のある兵庫県尼崎市内で身柄を確保された。その後、奥容疑者は約7時間かけ、車で横浜市の戸塚署まで移送された。

 7日午前3時17分ごろ、同容疑者を乗せた白いワンボックスカーが約20人の報道陣が待ち構える同署に到着すると、一斉にカメラのフラッシュがたかれた。奥容疑者は一瞬、顔を上げたが報道陣を見ると前席のシートに顔をうずめた。7日は、終日同署で事情聴取されていたとみられる。

 奥容疑者の逮捕容疑は今月4日午後3時半ごろ、佐伯に電話をかけ「今から殺しに行く」などと脅迫した疑い。佐伯が同日夜、警察に被害届を出していた。同容疑者は「脅迫していない」として容疑を否認しているが、戸塚署は脅迫と同時にドメスティックバイオレンス(DV)の疑いもあるとみて暴行容疑も視野に入れて捜査を進めている。

 一方、関係者によると佐伯はこの日、夫の逮捕に興奮する様子もなく娘たちと穏やかに過ごしたという。一方で、警察に相談のつもりで行ったところ、わずか2日後に逮捕まで事態が進展したことに戸惑いの様子も見せていたという。

 2人は02年に結婚。おしどり夫婦として知られてきた夫婦に何があったのか。関係者によると、結婚前から奥容疑者には嫉妬深いところがあり、佐伯の浮気などを疑う傾向があった。結婚後、それはさらにエスカレート、DVにつながっていったという。

 2人が暮らしていた横浜市の自宅近所では、奥家は仲良し家族として評判だったという。奥容疑者と佐伯が子どもを連れてたびたび訪れていた飲食店の店員は「大さん(同容疑者)と奥さん(佐伯)、2人とも誰にでも優しかったので信じられない」と驚いた様子。1カ月半くらい前に来店したのが最後だったが、「これまでと様子が全く変わらなかった。何がどうなっているのか分かりません」と話した。また、夫婦で歩いているところを何度か見たことのある近所の主婦も「ニュースを見て驚いています」と話した。

 ◆奥大介(おく・だいすけ)1976年(昭51)2月7日生まれ、兵庫県尼崎市出身。神戸弘陵からJ1磐田、横浜F・マリノスなどで活躍。MFとして、ベストイレブンに3回選出(98、03、04年)。日本代表として26試合に出場(2得点)。07年に現役引退。横浜FC強化部長などを務めた。02年に女優佐伯日菜子と結婚、2児をもうけた。最近は尼崎市で知人が経営するお好み焼き店で働いていた。

 ◆佐伯日菜子(さえき・ひなこ)1977年(昭52)2月16日、奈良県生まれ。雑誌の専属モデルで芸能活動を始める。94年に映画「毎日が夏休み」のヒロインに選ばれ、女優デビュー。日本アカデミー賞などの新人賞を獲得。「エコエコアザラク」「らせん」「蛇女」「うずまき」などのホラー映画に出演し、「ホラーの女王」と呼ばれる。00年にシングル「冷たい月を抱く女」で歌手デビュー。160センチ。血液型O。