【アルラヤン(カタール)27日】2戦連続の「神セーブ」とはならなかった。日本代表GK権田修一(33=清水)は懸命に両手を出すも、ループ気味のシュートをはじくことはできなかった。初戦の23日ドイツ戦で4連続ブロックを見せるなど、日本を救った守護神。1次リーグ最終戦となる12月1日(日本時間2日)のスペイン戦で、再び日本の壁となる。
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懸命に腕を伸ばした。手のひらにぐっと力をこめた。触れた権田の両手から離れるように、ボールは日本のゴールへ吸い込まれていった。
「試合を重ねていったらイレギュラーに対応する力も大事。予選を通じて、いろんなことに対応してきた」。油断せず、自信を持ってピッチに立った。
ピンチらしいピンチはなかった。一瞬の隙を突かれたシュート。初戦で味方してくれたセーブの神様は、この日はコスタリカ側についていた。
危機を乗り越えた権田にまたも試練を与えた。23日のドイツ戦。前半31分に相手を倒しPKを献上したが、後半25分に4連続ブロックで日本の流れをもたらした。「僕が使ってもらっている意味は、最少失点で抑えるところ。そこが僕の存在意義。必死ですよ」。4日前も諦めなかった。だから、ここで後ろを向くわけにはいかない。
仲間のために守る-。あの日見た忘れられない光景がGK権田の原点だ。小学3年生の頃、味方のDFがハンドで取られたPKを、必死に止めた。友達も、友達の母も泣いていた。「PKを決められたら、与えたことがフォーカスされる。止めてあげればフォーカスされないで終わる」。幼心に芽生えた思いが、今もゴールの前に立つ自分を突き動かしている。
ぼうぜんとする仲間を見て、この日はなすすべもなかった。でも戦いは終わっていない。
「結果が出なければ、たたかれるのは百も承知。このグループを抜けることが出来た時、GKの存在価値を示せた時。日本の人気も、サッカーの人気も、爆発的に上がる可能性を秘めた大会」。8年ぶりの大舞台を前に誓った決意。残るは強豪スペイン戦。「神セーブ」でピンチをチャンスに変える。【磯綾乃】


