MF佐野海舟(25=マインツ)がワールドクラスのゴールで王国を揺らした。前半29分、カウンターで仕掛け、ドリブルで運び、ペナルティーエリア手前から右足シュートで流し込んだ。代表初ゴールをマークした。だが日本は後半に2失点し、痛恨の逆転負け。佐野の一撃は歴史的金星には結びつかなかった。
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佐野の武器は故郷鳥取で育まれた。米子北高で過ごした3年間、ケガというケガをしなかったことで試合に出続け、成長を続けることができた。3歳下の弟のMF航大(22=NECナイメヘン)も同様だった。それを可能にしたのは鍛え上げられた足腰と、培われた「ゴツい足」だ。
高校までアルペンスキーの選手だった父龍一さんの教えで、幼少期には兄弟そろって下駄をはいて遊び、練習した。航大は「下駄でサッカーもしたし、キャッチボールもした。いろんな動きをしていたと思う」と回想する。自然に培われた安定感が、ピッチでのパフォーマンスにつながっている。
米子北の中村真吾監督(51)は「標本みたいな足で、骨格がはっきりしている」と表現する。他スタッフも「めちゃめちゃゴツい」「岩みたい」と他では見たことがない独特の足を忘れない。下駄トレーニングもあって育った力強い足を見た者だからこそ、176センチ、67キロと決して大きくない佐野が力強く戦えている姿に納得できるという。
「周りには彼がどんな足を持っているのかは見えないけど、それを見て知っているから、ああいうプレーができることも納得できる」。ピッチをつかむような馬力を感じさせるプレーは、スパイクに隠された常人離れした足指が可能にするものだった。【永田淳】


