[ 2014年2月17日12時14分

 紙面から ]男子ラージヒルでジャンプを見せる日本勢。上から、葛西、伊東、清水、竹内<ソチ五輪:ジャンプ>◇決勝◇15日◇男子ラージヒル(LH=HS140メートル、K点125メートル)

 さあ、長野五輪の再現だ。ジャンプ男子の団体ラージヒルが、今日17日(日本時間18日午前2時15分)に行われる。15日の個人ラージヒルは銀メダルを手にした葛西紀明(土屋ホーム)を始め、伊東大貴が9位、清水礼留飛(ともに雪印メグミルク)が10位、竹内択(北野建設)が13位と、上位15人に4人が入っているのは日本だけ。98年長野五輪以来の団体金メダルが、現実味を帯びてきた。

 ソチの空が日本のものになる。15日のラージヒルで葛西が2位に入ったのをはじめ、4人全員がトップ15位以内に入った。外国勢はポーランドが3人入っただけであとはドイツ、オーストリアがそれぞれ2人とどの国も駒不足は否めない。選手層の厚さは日本が群を抜いている。斉藤監督は「すごく楽しみになった。みんなが調子を上げてきているし、チャンスだと思っている」と期待を口にした。

 ぎりぎり間に合った。竹内が1月に風邪をこじらせ、肺炎を併発。W杯出場を回避し、入院生活を余儀なくされた。ノーマルヒルは24位だったが「いい時の体の状態ではない。イメージを変えて自分の今できることをやろう」と意識を変え、この日の1回目の132・5メートルにつなげた。団体に向け「チームも上り調子」と勢いを取り戻してきた。

 エースの伊東は、五輪前最後のW杯で痛めている右膝とは逆の左膝裏に違和感を覚え、ノーマルヒルの出場を見送った。3本柱の2本がぐらつき団体に暗雲が垂れこめたが、伊東も1回目に137・5メートルの大ジャンプ。「1人1人が強い気持ちと、力を出し切ればメダルに届く」と自信も取り戻し、再び上昇気流に乗った。

 98年長野五輪以降、低迷を続けたが、今季は序盤から日替わりで表彰台に乗るなど好調を維持してきた。ベテランと若手が融合しバランスのいいチームになった。さらに、昨シーズンからスーツが従来よりタイトなものになり、浮力を得られなくなったことで、高い技術を求められるようになったのが、日本に追い風を吹かせている。葛西は「団体もメダルを取りに行きます」と自信。4大会ぶりの団体メダルで、お家芸復活を高らかに告げる。【松末守司】

 ◆ジャンプ男子団体

 各国4人が各2回ジャンプを行い、合計がチーム得点になる。1回目の上位8チームが2回目に進出。今回はノーマル、ラージ2冠のストッホを擁するポーランドをはじめ、ドイツ、オーストリア、スロベニアなどが出場する。