<Vプレミアリーグ男子:JTサンダーズ3−1豊田合成トレフェルサ>◇22日◇函館市民体育館

 JTの08/09V・プレミアリーグが終了した。ファイナルラウンド進出を逃し、課題が残るシーズンとなったが、その中でメイフォース・ゴードン監督が収穫に挙げたのがブロック。最終的にブロック決定本数は8チーム中2位だった。

 昨年ゴードン監督が就任して以降、様々な変化をもたらしたが、その1つがブロックだった。選手たちは「システムが変わった」と話す。「システム」というと型にはまった印象を受けるが、監督は「決まったやり方はない」と言う。相手の攻撃や状況によって、JTのブロックは常に変化する、ということだ。

 そのベースになるのは相手チームのデータだが、昨シーズンまでは、「このローテーションはこの攻撃が多かったんじゃないか」というような感覚的なものが多かった。しかし今は、細分化された明確なデータが与えられ、選べるシステムの選択肢の量も格段に増えた。それぞれのシチュエーションで最も効果的なシステムを選び、それに加えて個人が微調整することもある。1人のブロッカーが動くと、周りのブロックや後ろのレシーブが連動する。

 町野仁志は、「システムとしてはすごくいいと思います。それが結果に結びつくかどうかは、実践する僕らの責任。正面に跳んでも、止められない時がありますから。それはもっと練習して、止められるようになりたいです」と話す。また、小川やゴメスなど、サイドブロッカーの位置取りのよさも、チームのブロック力につながっているという。

 ただ、ゴードン監督は、ブロックに手応えを得ながらも「それが自分の目標ではなかった。ブロックだけが強いのではなく、全体的に強いチームにしたかった」と語った。

 次の公式戦である5月の黒鷲旗に向け、まずはサーブとサーブレシーブの改善に着手する。指揮官の改革は、まだ始まったばかりだ。